第9章 燃やして欲しい、私の全て※
「…ようやく言ってくれたな…っ荒山は…強情が過ぎる…!」
「…だって……私は…っ」
ギュッと背骨が折れてしまうんじゃないかと言うほど強く抱きしめられ、それ以上言葉にすることは出来なかった。
炎柱様は
「…加減は…出来ない…」
私の耳元で熱く囁くと
「…っはい…」
私を再び布団に押し倒し
「…君はもう…俺のものだ…」
そう言って
ちぅぅぅぅ
「…っん…!」
私の唇に、熱い口づけを落とした。
緊張でギュッと唇を閉じ身体を強張らせていると、炎柱様は一旦唇を重ねるのを辞め
ベロッ
「…っ!?」
私の唇をその熱く柔らかな舌で舐めた。驚き、僅かに口を開いた隙に、にゅるりと先ほど私の唇を舐めたそれが口内差し込まれ
「…ん…ふ…」
全体を舐め回すように縦横無尽に動きまわる。
どうしていいか分からず、炎柱様の服の背中の部分をぎゅっと強く握りしめた。経験したことのない激しい口付けに、上手く息継ぎが出来ず
…っ苦しい…!
握りしめていた服をパッと離し、バシバシと炎柱様の広くて硬い背中を叩いた。
私の言わんとしていることを理解してくれたのか、炎柱様は私の唇から離れていき
「…こういった時は…鼻で…息をするもの…らしいぞ…」
私と炎柱様の混ざり合った唾液でテラテラと光っているように見えるその唇を、手の甲でグイッと拭いそう言った。
「…っ…そう…言われても…」
その様子は、なんとも言い難い艶めかしさを放っており、まだことが始まったばかりだと言うのに頭が熱くて沸騰しそうだった。
「…悪いが…俺も余裕がない…続けるぞ」
炎柱様はそう言うと、いささか乱暴な手つきで私の着物に手をかけた。
「…っ…待って…大事な着物だから…乱暴にしないでください…」
「…っすまない!だが…どうしようもないほどに荒山が欲しくてたまらないんだ…」
炎柱様は誰がどう見ても切羽詰まった表情をしており、初めて見るその顔に、思わず目を奪われそうになる。
「…っ…わかってます…急いで脱ぎますから…すこし待ってください…」
そんな顔になっている原因は完全に私であり、早くなんとかしてあげたいと思った。
「…わかった…」
炎柱様は私の背に手を回し、グッと私の身体を起こす。