第7章 溢れた想いの行先は
「…天元さんの言う通り…私は未熟です…未熟すぎて…情けないです」
気持ちを言葉にしてしまった途端、その気持ちは自分の胸の中で大きく膨れ上がり
悔しい
情けない
悔しい
情けない
そんな感情が私の胸をあっという間に埋め尽くしていった。握りしめた自分の両掌からギシギシと肌と肌が擦れ合う音が聞こえてくる。
斜め上の方から天元さんの鋭い視線を感じ、俯き震えている私のことをジッと見ていることがなんとなくわかった。
「どうしてそう思われるのですか?」
一方胡蝶様は隣から優しい視線を私へと向けてくれている。私は胡蝶様の方に顔を向け
「…炎柱様、もう今までのように戦う事は出来ないんですよね?」
そう尋ねた。
「やはり…話、聞かれていたのですね。残念ですがそうです。あの損傷状態です。煉獄さんだからこそ、今まで通りの呼吸は使えなくとも半分程度まで回復することが見込めます。荒山さんがいなければ、恐らくそれすらも叶わなかったはず。命が助かって、呼吸もまだ使うことができる。それだけで十分ではないですか」
「…っ…でも…」
胡蝶様の言葉はとても嬉しかった。それでも私の気持ちはまだちっとも晴れてはくれない。
「お前あれか?"自分がもっと戦えればと"か思ってんだろう?」
そんな私に向け、天元さんはどこか呆れたような口調でそう言った。
「…っ!」
図星をつかれた私は、パッと顔をあげ、天元さんの顔を仰ぎ見た。するとズイッと顔を寄せられて、私は思わずのけ反ってしまう。
じぃぃぃぃ
心の奥底まで見透かして来そうな視線向けられ、私の身体はピシリと固まってしまう。