第4章 雪解け始まる微かな気配
そんな3人の行動に
「…もう…私、ずっとずっとここで暮らします!皆さんと…まきをさんと雛鶴さんと須磨さんと…絶対に離れません!好きです!大好きですぅ!」
私はそう言いながら、まきをさんの豊満な胸に再び顔を埋めた。
けれども、
パシンッ
「っ痛!」
後頭部に感じた衝撃にまきをさんの胸から顔をあげ振り向くと
「お前、俺の嫁の胸に触れるたぁいい度胸じゃねぇか」
じーっと腕を組み、目を細めながら私を見下ろす天元さんと目が合う。
「…私…女ですよ?嫉妬しなくったって…いいじゃないですか」
そう言いながら叩かれた場所を自らの手で撫で(音の割にたいして痛くはなかったのも天元さんの優しい所だと思う)、天元さんのことをじとりと見上げる。
「知ってんだろ?世の中にはな、男も女も関係なく、同じように好きになれる人間もいるんだぜ」
その言葉に、私が天元さんから須磨さんに視線を移すと
「鈴音さんのこと、私も凄ぉく大好きですよ」
須磨さんが満面の笑みを浮かべ、私に笑いかけてくれた。
やだ…かわいい。嬉しい。私も好き。
「…嬉しいです!…すごく!…でも私は、天元さんと、雛鶴さん、まきをさん、須磨さんの関係に…心から憧れているので…そこに割り込むことなんて絶対にできません!」
私はそう言うと、ようやくまきをさんの柔らかくて女性らしい身体から離れた。
「おぉそうかいそうかい。だったらよ、ずっとここで暮らすなんて阿呆なこと言ってねぇで、さっさと相手とっ捕まえて、俺と嫁達みたいな関係を築けるやつを探しな」
「…っそれとこれとは話が別です!さっきもお願いした通り、私には皆さんに教えてほしいことがまだまだたくさんあるんです!今日のことだって聞いてもらいたいし…」
「わかってるわ。だから、ね?こっちに来て、座りましょう?折角いれてきた、お団子にぴったりなお茶が冷めちゃうわ」
「そうですそうです!みたらし団子!早く食べたいんです!」
そう言いながら雛鶴さんと須磨さんが、座卓にお盆とお皿を置いた。