Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第5章 ★はないちもんめ:角名
部活後のミーティング、後ろの方で体育座りして聞いていたら、北さんに手招きされる。後でみんなにも紹介するから、と言われていたから、多分それだろう。
「今年はマネージャーも入った、
2年やけど転校してきたばっかりらしい」
特に同期の奴らは目かけたってくれ、と言う北さんに、2年生の集団から返事が上がる。じゃあ軽く紹介したって、と促され、息を吐く。
眼前に、たくさんの男の子。少しの緊張と、わくわくした気持ち。ついさっき考えた言葉を話すべく、口を開く。
『片倉陽菜乃です、この春転校してきました
中学もバレー部でした、よろしくお願いします』
お願いしァすと、体育会系の元気なご挨拶。しばらくは銀と角名に教えてもらえ、と北さんが声をかけると、角名くんともうひとりの男の子が立ち上がり、会釈をした。
今日の部活はそこで解散となり、残って自主練するも良し、帰って勉強するも良しとのことだった。私はもちろん、部活のことを色々知るところから始まるので、角名くんに教えてもらう。
「...とまぁ、うちはそんな感じ」
『強豪校って、すごい...忙しそう...!』
男バレのここ最近の戦績と、年内の主なイベントを教えてもらうと、想像以上の密度。これにプラスで普段の学校生活がある訳だから、すごい。それから物品の場所を一緒に確認し、やって欲しい庶務雑務については監督と北さんから聞いてくれ、となった。
一通りマネージャーの仕事を聞き取った後、体育館の隅でさらのノートを開く。普段のこととしてはドリンク作り、テーピング、パス練習などのタイマー管理。事務的なもので言えば、部費の回収や遠征のお知らせの配布、監督から預かったお金の管理などだった。
「ねぇ、片倉サンって同じクラスやろ」
『あ、えっと、あつむくん、じゃない...?』
「それは双子の片割れ、俺は治の方」
『おさむ、くん...』
朝は素っ気なくてごめんなぁ俺低血圧で、と笑うのは、さっきのサーブを打った侑くんとそっくりな顔。
「なんやサム、ナンパか?」
「ちゃうわ阿呆ツム、
片倉さん同クラやし、挨拶しとこ思てん」
「まぁたお前のクラス!
バレー部ばっか集まりよって...」
忙しなく喋る金髪と、銀髪を、交互に見る。本当に双子だ。