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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第4章  失恋はプロローグ:菅原



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『なぁんてこともあったねぇ』


「まっじで青かったなー、俺ら」


とりあえずの乾杯、菅原はビールを、私はレモンサワーを頼んでジョッキを煽り、高校時代の懐かしい話に花を咲かせる。


あれから3年、久し振りの連絡をくれたのは菅原で、お互いとっくに成人してるから飲もうよって事だった。どっちも進学は県内の大学だったのに、卒業してから会うのはこれが初めて。


「世都は綺麗になったなぁ」


『菅原も、なんか男の人って感じ』


そんな月並みな感想を互いに述べながら、お通しの枝豆をぷちぷちとさやから出しては口に放り込む。


運命のいたずらとでも言おうか、あの翌日すぐに席替えがあって、私と菅原は離ればなれ、それどころか3年生のうちに二度と近くの席になることはなかった。


私が受験勉強を本格的に始めると同時に、菅原は前にも増して部活動に熱を注ぐようになり、お互いを意識する余裕もなくなって。そうしてそのまま、疎遠に、と言うほどでは無いが、前ほど関わることはなくなってしまった。


『今日は今まで菅原に言えなかったこと、
 全部ぶちまけようと思ってるから覚悟してね』


「俺、明日も朝から一限なのに」


『私はサボるつもりでここにいます』


「世都、それはやってるって」


てか何系の大学だっけ俺は教育だけど、スガ先生になるんだめっちゃぽい、だべ、私は普通に文学部出て働くつもりだけど今はゼミが楽しくて、なになにどんなことやってんの、子供の読書習慣についてなんだけど。


そうして、自分の知らない相手の“今”についてお互いたくさん喋って、食べて飲んで、それでも足りなくて、ついには2軒目も行った。語り足りないって菅原がゴネるから、仕方なくうちに行くことになる。


2人ともしっかり酔ってるのに、足取りはそれなりにちゃんとしてて、帰宅して直ぐに冷蔵庫を漁る菅原。


『ちょっとぉ、家主になんか言ってよねぇ』


「ビールごちです、お、イイヤツみっけ!」


お母さんが持ってきたけどあんまり得意じゃないから眠らせていた第三のビールでも、発泡酒でもないホンモノの“ビール”。 どうせ飲まないし、と菅原に渡せば、サンキュと特大の笑顔が返ってきた。


 
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