Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第4章 失恋はプロローグ:菅原
そうしてそのまま流れで菅原たちとお昼ご飯を食べることになる。いつも部室で食べているらしく、別のクラスの東峰くんを回収し、お弁当を持ってついさっきまでいた部室へ再びお邪魔することに。
『なんか、ほんとに邪魔じゃない?』
「いーのいーの、女の子いた方が嬉しいし」
なっ旭、と振られた東峰くんは、ものすごく裏返った声でエッと言ってから、全然いいと思う、と親指を立てる。大丈夫かな、ものすごい緊張してないかな、めっちゃ背高いのに。
部室棟の横、体育館の裏あたり、さっきのオレンジ頭の小さいこと、黒髪の背の高い子が、一緒にバレーボールをしている。が、オレンジのこの方はあまり得意でないのか、あっちこっちはボールは吹っ飛んでいる。
『菅原、あれ、新入部員?』
「そ!まぁまだ下手っぴだけどな」
背高い方はめちゃくちゃ上手いけど、と付け加えると、澤村は頭を抱える。どうやら最近の悩みの種はあのいちねんせらしい。
「教頭のカツラぶっ飛ばすし、
もう本当に、大変だったんだよ...」
『うわぁ、なんか、男バレって、
問題児しかいないって聞いた気がする』
「あー、それは多分2年生だろうな」
3人とも、思い当たる節しかなさそうな顔。先輩って、すごく大変なんだろうな。私は高校生活はほぼバイトに費やしちゃったし、残りの1年は今度は受験で忙しいけど、もし部活とかやってたらどんな感じだったんだろう。
「で、世都」
『ヘい澤村』
「今回はどこのどいつに泣かされたんだ」
『あー、澤村たちも知ってる、かも』
バレー部のOBだって話してたんだよね、嶋田さん。
そう続ければ、澤村と東峰が綺麗にハモって、嶋田さんってあの嶋田さんと驚愕する。まぁ、顔見知りだろうし、無理もないか。
『私ずっとしまだマートでバイトしててさ、
まぁ好きになったからバイト始めたんだけどね』
「そうかぁ、世都さん頑張ったんだね」
『東峰...バレー部みんないい人しかいない...』
ぐすん、と泣き真似をすれば、東峰が慌てだしたから、嘘泣きだよと早めにネタバラシ。菅原のお陰でたくさん泣けたから、朝よりかはスッキリした気分。
さっきはここであんなに泣いてたのにな、なんて思いながら、昼休みは過ぎていった。