Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第2章 毒を以て毒を制す:二口
舞の‘ゴキブリでも喜ぶ’発言から、そう言えば、と思い1つ提案をする。鎌先さんの誕生日は普通に廊下に呼び出してお祝いするとして、悩んでいたのが二口の方。
『朝から放課後まで虫のおもちゃドッキリ、
みんなが出てきて祝われるかと思いきや、
いつまでたっても祝われないまま』
「ふむふむ」
『で、ついに部活も終わっちゃって、
俺祝われないまま17歳になるん...?
ってなったところでみんなでお祝いする』
「いいね、普段の二口への仕返しも含め」
『よし、ドンキでドッキリグッズ買お!』
ガッシリ手を握り、2人で走る。待っとけ二口、私が誰よりもドッキリなバースデーを演出してやる。
そうして迎えた二口の誕生日、あいつを抜いたグループ連絡網で、今日の計画は伝達済み。みんなもちょっと早く来てもらって、色々ドッキリの手はずを整える。
いつもより30分早く起きて、準備をし、みんなであげるお菓子と、‘個人的’な二口への誕生日プレゼントを忘れずに確認する。ローファーにつま先を入れ、行ってきまーすと飛び出した。
いつもの交差点のところに青根の姿を見付け、おーいと呼んでブンブン手を振る。控えめに振り返した青根は、私のことを待ってくれていた。
『おはよう青根、いよいよだね』
コク、と頷く青根。
「応援、している」
『っ、青根.........!』
滅多に喋らない青根の言葉には、なんとも言えない重みがある。応援してる、その言葉を噛み締め、私は気合いを入れ直した。絶対に、ドッキリ大成功させてやる、と。
ドッキリその1、部室開けたら虫降ってくる。
「ハアアアァァ!?
朝からなんだよこれおい誰だ!」
ドッキリその2、靴箱開けたら飛び出すムカデ。
「うっわ、まじ、最悪...」
ドッキリその3、昼休み廊下ですれ違いざまに蜘蛛投げられる。
『ふーたーくーちっ、おつ!』
「何投げたんだよ......って蜘蛛かよ!キモ!」
とまぁ、こんな具合で、ドッキリを仕掛けまくった。他にも、運動靴履こうとしたら中にゴキブリとか、教科書開いたらハチとか。