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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第2章  毒を以て毒を制す:二口



じゃあ俺先行くから、と惚けた私を置いて二口は帰って行った。二口と入れ違いになるようにして、舞がパタパタと走ってくる。後になって、それは舞が二口の視界に写ったからだって、気付いた。


駅ビルの中、男の子って何が欲しいんだろうねって話しながらウィンドウを眺める。


『ねぇ、舞』


「ん〜、なに〜?」


いつしか自分たちの冬服を探している手を止め、舞が振り向く。


『ふ、二口ってさ、
 私の事、好きだと思う?』


「え、うん。超分かりやすいよ」


私と陽菜乃とじゃ態度全然違うんだよねもう慣れたけど、と呆れたように呟く。まじ、うんまじ、いつから、2年の初めぐらい、半年以上経ってるじゃん、そういうことになるね。


自分の鈍さに、思わず絶句した。はらり、と手から落ちた白いセーターを拾って、舞ちゃんは綺麗に畳直す。


「ちなみに、青根も気付いてるよ」


『え、あ、青根が!?』


「二口動き出したっぽかったから、
 最近わざと帰り2人になるようにしてた」


『そ、それで舞いなかったの…』


「陽菜乃が鈍すぎて、
 さすがの二口も手こずってたからね」


上手くいったでしょ、としてやったり顔の舞に、私は心の中で白旗を揚げた。本当に、気付いてないのは私だけだったんだ。


それから改めて、二口の誕生日プレゼントを探す。自分の事を好きで、自分もちょっと好きかもしれない、そんな人に贈る誕生日プレゼントなんて初めてだし、もう何も分からない。


スポーツ用品なら普通に自分でも買うだろうし、服とかはちょっと難しいし、何をあげればいいのか全然ピンとこない。


難航している時、たまたま通りかかった香水屋さんで、いい匂いのを見付けた。ムスクがほわりと香る向こうに、ちょっとだけスパイスみたいな鋭い匂い。意地悪ばっかりだけど本当は優しい、二口みたいだなって、思った。


『香水って、重い、かな...?』


「あいつは陽菜乃がくれるなら、
 多分ゴキブリでも喜ぶから大丈夫だよ」


大きいボトルは匂いが好きじゃなかった時に困るからと思って、20mlの一番小さいのを買った。それだけじゃ足りない気もして、やっぱりスポーツショップに戻って、練習用のタオルも買った。


 
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