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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第2章  毒を以て毒を制す:二口



幸運なことに、次の日は火曜で、部活はオフだった。


『お願い、舞先生、助けて…!』


「ど、どうしたの陽菜乃、
 ものすごくやつれた顔してるけど…」


とうとう自分の頭がパンクして何も考えられなくなった昼休み、隣の席の舞に泣きついた。仲良い友達と引き離された時は呪ったけど、クラス替えの神様、ありがとう、私と二口のクラスを分けてくれて、ありがとう。


教室だと話しにくいからと場所を移して中庭、11月の風は冷たくなりつつあるが、日がある分にはまだ暖かい。


『実は、昨日二口と帰ってて…』


「うんうん」


『鎌先さんにはプレゼントあげないで、
 でも俺には個人的に欲しいって言い出して』


「うんうん」


『考えとけ、って言われたけど、
 もう何を考えるのか分からなくて』


「うんうん」


何が何だか分からないです、と項垂れると、よしよしと撫でてくれる。舞の手は暖かくて、とても好きだ。にっこりと微笑む舞は、そんな事があったんだねと頷く。


「私には分かったけど、でも答えは
 陽菜乃が自分で見つけないとだよ」


『そう、なんだ…』


「とりあえず二口が誕プレ欲しがってるなら、
 今日の放課後にでも駅ビルに探しに行こうよ」


『舞も付き合ってくれる?』


もちろんだよ〜とハグしてくるから、思わずペットボトルのお茶を零しそうになった。二口の誕生日プレゼント、か。


何か欲しいものとかあるんだろうか、二口の好きな物って、グミぐらいしか知らない。ていうかそもそも、二口のこと私どれぐらい知ってるんだろう。


バレー部で、背が高くて、性格悪くて、キャプテンで、なんだかんだ仲間に慕われてる。酸味の強いグミが好きで、本当は先輩後輩のことがすごく好き。あと、よく仲間のこと見てる。


『ふたくち、なにほしい、かな…』


「それも、一緒に考えよ!」


まぁ陽菜乃があげるものならなんでも喜ぶと思うけどね、と舞が笑う。そうなの、と首を傾げると、そうそう愛の力だよ、と両手でハートを作った。


愛の力、とは。


 
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