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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第1章 ★Vê você:日向



それからの1ヶ月は、何回か翔陽に会ったし、ビーチバレーの試合も見に行ったけど、あれきり身体を重ねることは無かった。

一度そういう雰囲気になったことはあるけど、翔陽は日本に帰るまでオアズケ!ととても酷なことを言った。それ、私も苦しいやつなんだけどな。

そうこうしているうちに留学の最終レポートを発表する時期が近づいてバタバタし、翔陽と会う時間は減った。1年間見てくれた先生は、あんなに下手くそだったポルトガル語が見違えるように上手くなったことに感涙していた。


あっという間に帰国する日になって、翔陽に連絡をしたけど、バレーの試合があって見送りには行けないという内容を、すごく悔しそうに送ってきた。それはもう、大量の涙を流す絵文字と共に。

でも、そういうところも、翔陽らしいと思った。そうして、1日半近いフライトを終え、私は日本へ戻った───





留学から帰って、だいたい1年が過ぎた。留学の分は英語やポルトガル語と言った言語系の単位として獲得したものの、まだまだ卒業には遠い。同期のみんなとの1年の差は大きく、みんな就活で忙しそうで大変だなぁなんて他人事のように思う。

帰国してから毎日のようにネットニュースやら過去の新聞やらで“日向翔陽”の文字を探してみるも、新しい情報は無い。高校生の時に宮城県の代表として全国大会に出たことがあるのを、大会記録から知った。

そして当の本人からの連絡は、日本の夏休みを告げて以来ここ2ヶ月ほど帰ってこない。


もう、忘れてしまったのだろうか。やっぱり、面倒くさくなったのかな。

そんなことを考えるようになっていた頃、待ちに待った連絡が来た。


『なに、これ……むすびい、ぶらっくじゃっ、かる?』


送られてきたのは、ひとつのURL。迷わずタップして開くと、“MSBYブラックジャッカル”というバレーボールチームの選手紹介ページだった。そこに載る、Newアイコンがちかちかと点滅する、あの、オレンジ。

遅れて、ぽこん、ぽこんと通知が鳴る。


おれここでバレーすることになった!


翔陽が、帰ってくるんだ。

その事実が、嬉しくて、嬉しくて。大学に行く前なのに大号泣した。


 
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