Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第6章 記憶から消してもいいですか!:北
その日の夜、早速グループに要救助連絡を飛ばすと、みんな起きていたらしく、私以外の人の分の既読マークが付いた。
『結局、北先輩って、彼女いるのかな、っと』
ぼこん、と通知が鳴って、それがしばらく続いたから、トークルームの画面を付けっぱなしにすることにした。
侑:おらんやろ、アランくんとか大耳さんからも
聞いたことあらへん
治:非常に残念だけどツムと同意見
陽菜乃:やんな?角名と話した時もそんな感じで
でも、明言はしてなかったなぁと思ってしまい、もしかしての可能性を考え始めてしまう。いや、北先輩ほどのおひとなら、彼女のひとりやふたり、いてもおかしくないと思う。
周りのことはきちんと見てるし、自分がやることはちゃんとやって、当たり前のことを当たり前にこなすような人。そういう、生真面目なところが大好きなのだから。
陽菜乃:なぁ、北先輩どんな女の子が好きかなぁ
スナ:急に乙女
銀:陽菜乃のこと可愛いって言うとったし、
好印象やと思うけど
陽菜乃:銀島が本当に優男すぎるんだけど
スナ:双子は見習った方がええで
侑:別に俺今彼女いらんねんけど!
なんで飛び火してダメージ受けてんねん!
陽菜乃:本当にツムには見習って欲しい
くだらない話や学校のことなんかも織り交ぜて、そんなやり取りをしていれば、あっという間に寝る時間。グループに“おやすみ”と送ると、やがて何回が通知音がした後に静かになる。それを確認して、部屋の電気を消した。
そんな感じで私が北先輩のことをひたすらに惚気け、たまに別の話をしたりという感じで、そのグループは運営されていき。そのうち進級記念で5人でご飯に行って、北先輩に仲ええなって微笑みかけられたり。
もう毎日が楽しい中で、とうとう新チームのレギュラーメンバーが選ばれる日が来てしまった。
『ねぇ角名〜、今日の部活、
練習無しでミーティングだけやんな?』
「朝練の終わりに北さん言うてたよ、
ちょうどお前が先生に呼ばれてた時」
『おっけ、ありがと!』
たまたま廊下ですれ違った角名に再確認して、いよいよ来たかと緊張が走る。人事だけど、他人事では無いのだから。