Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第1章 ★Vê você:日向
事態が呑み込めないような、きょとんとした顔の翔陽に、私は加虐心をくすぐられる。額にかかるオレンジの毛束をそっとかき分け、つるんとしたおでこに唇を寄せる。
ごく、と、翔陽が生唾を飲み込む音が聞こえた。
翔陽、興奮してるのかな。そのまま顔を横へ動かし、右耳へ舌を這わせる。ぴちゃ、ちゅる、と、水音が壁に反響する。時折体をびくりと震わせ、その度に誇張した雄がおしりに当たる。
「……ッ、ふ、陽菜乃、それっ…」
『しょーよー、耳弱いんだねぇ』
れる、と、縁取るように軟骨を辞めれば、熱い吐息が聞こえる。耳たぶを唇で食むと、もう堪えきれないと言うようにぐんと肩を押されて距離を取られてしまった。残念、もう少し楽しみたかったのに。
「も、もう終わり!次はおれの番だから…っ」
ぐるんと視界が周り、今度は私の上に翔陽が乗っている。
まるで噛み付くような勢いでキスをされる。はむはむと色んな角度から唇を味わうと、呼吸のために開いた隙間を縫って舌が入り込んでくる。さっきのがまるでおままごとのように感じられる、長くて、深くて、激しいキス。
『…ふ、しょ……よっ…ン、ぁ』
酸素の交換が追い付かず、無意識に名前を呼べば、2人の舌の間をつぅと糸が引いて、やがて切れた。肩で息をする私に、翔陽は微笑み、赤くなった頬を撫でる。
「陽菜乃、かわいい。
さっきまで立場逆だったのにね」
どの口が言ってるの、と思った言葉は音にならず、再び唇を塞がれた。キスに意識を持っていかれているうちに、翔陽の左手が胸元で留めたタオルにかかる。咄嗟に手で抑えるが、やんわりとどかされて胸元が晒される。
『や、っ』
「や、じゃないでしょ。
ここ、触られるの待ってたくせに」
既にぷっくりと膨れた乳首を、ツンとつつかれれば、腰がびくりと揺れて甘い声が漏れる。それに気を良くしたのか、ツン、ツンツンと翔陽が両の乳首を指先で触れる。だがその先へは進んでくれず、期待だけが募る。
『しょーよー、あの…』
「なに?」
『もっと、シて、ほしい…』