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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第5章 ★はないちもんめ:角名



結局、部屋に戻ることすら叶わず、角名くんが2回目を終えるまで散々喘いで、気絶するように眠りに落ちた。最後に見た時計の短針は、2時だったか、3時だったか。


浅いまどろみをとろとろと繰り返していた気がする。とにかく、角名くんのアラームで叩き起されると、時刻は6時だった。


だるくて重たい体は動かそうという意思に反してベッドに沈んだまま。それもそのはず、角名くんの腕が後ろからがっちりホールドしていて、物理的に重たいのだった。


『りん、だ、ろ……あさだよ…』


「陽菜乃、喉ガッサガサやけど」


『あんだの、ぜい』


げほげほと咳き込むと、喉にジンと痛み。風邪のひき始めみたいな、喉の乾燥と違和感。枕元にあったペットボトルを拝借し、潤すが、多少楽になった程度であまり変わらない。


「朝練、休んだら?」


『いぢげん、ギリギリに行ぐ、
 いっだん部屋戻っで二度寝する…』


ごめんね、と言いながら私の腰を撫でる角名くんの手つきは、どこかいやらしい。朝からやめてと言えば、朝やだからやろと言われ、おしりにグリグリと押し付けられる、ソレ。


『やだ、むり』


「さすがに朝からはしないけど、」


陽菜乃の体が治ったら、またシよか。


後ろから耳元で囁かれ、身を硬くする。いついつに、って言われるよりも、そういう漠然とした約束の方が、タイミングが分からなくて変にドキドキしてしまう。


角名くんの手を借り、何とか服を着直して、鈍く痛む腰を手で抑えて立ち上がる。初めての後遺症は、少女漫画で見るような甘い痺れではなく、“動く気力を失うほどの腰痛”として記憶されることになる。


「無理させてごめんな」


『次はもう少し、お手柔らかにお願いします』


「どうやろ、それは陽菜乃次第やな」


双子とイチャイチャしたらあかんで、と意味深な笑みを浮かべる角名くん。また学校で、と玄関でキスをして、私は自室へと向かった。たった数時間離れるだけなのは知っていたし、教室でいつでも会えると分かっていても、名残惜しく思う。


すっかり角名倫太郎という人にハマってしまったなぁと思いながら、スマホのディスプレイに光るメッセージに、私はそっと、笑うのだった。


 
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