Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第5章 ★はないちもんめ:角名
私が時折ストップをかけても、角名くんの手は止まらない。止まらないどころか、口まで出してきて、どこが気持ちいのとか、ココがいいんじゃないのと、ものすごく恥ずかしいことを言ってくる。
やだやだと首を横に振り、身をよじるところで、与えられる快感の方が大きすぎて、キャパなんてとうに超えていた。
『あ、っふぅ、ん...』
「かわいい、めっちゃ可愛い」
気付けば着ていたシャツは鎖骨の辺りまで捲られ、エアコンの効いた外気にひやりと触れている。角名くんが、乳首を舐めたり甘噛みしたりするから、唾液でしっとりしていて、それが余計に風を冷たく感じる。
ぱく、と胸の突起を口に咥え、もう片方を指でつついたりこねたり。目をぎゅっと閉じれば、その感覚を大きく感じてしまうのは分かりきっていたけど。それでも、視界に映る“顔のいい彼氏が自分の胸を舐めている”という図を見ない方がマシだった。
「陽菜乃、何されてるか、ちゃんと見て」
『や、だ...っ、恥ずかしくて、しんじゃうぅ』
「じゃあもっと恥ずかしくさせてあげるね」
楽しそうな角名くんの声に身を硬くする。でもそんな抵抗は気にも留めず、角名くんの手はショートパンツのウエストゴムにかかる。
待って、と制止をかけるのと、ずるりとショーツごと下ろされるのがほぼ同時。はい脱ごうねと足から引き抜かれたそれらに、声にならない悲鳴を上げて、慌てて両手で顔を隠した。
「ねぇ、パンツ、糸引いてるよ?」
陽菜乃ってばえっちだなぁ、と笑う角名くんの声は、今まで聞いた中でもとびきり意地悪で、嬉しそうで。
違うそうじゃないと否定しても、角名くんの愛撫に感じまくっていた事実は消えないから。ううううと呻きながら、必死で秘部を隠すために足を閉じて耐える。
『やだ、もう、顔あっついぃ』
「死ぬほど恥ずかしがってる陽菜乃可愛い」
『絶対可愛くない、ぶすだもん』
「俺の彼女のことブスとか言うな」
悪い口は塞がないとね。
そう言うと、角名くんはいとも容易く顔を覆っていた私の手を剥がし、ぎゅっと恋人繋ぎをして、そのままシーツに縫い止める。
あぁ、これは。とんでもない沼だったかもしれない。
やっと気付いた、己の過ち。それは、ドロドロにとかされるようなキスをされる、3秒前。