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Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》

第5章 ★はないちもんめ:角名



ぴったりと触れ合って、麦茶で冷えている角名くんの唇が私のと同じぐらいの熱になった頃、ようやく唇は離れた。ふに、という柔らかい感触は、なんとも言えない心地好さがある。


普段なら絶対に言わない。でも、なんだか甘ったるいような、このぬるい雰囲気に、既に惑わされている。それにきっと、角名くんは私のおねだりが好きなはず。


『倫太郎、きす、もっとしたい、です』


一瞬目を見開いて、それからきゅっと細くなる目。頬に添えられていた手は私の右手を握り、ベッド行こうか、と手を引かれる。


怖くないと言ったら、嘘になるけど。それでも、この先を知りたくて、確かめたくて。こくりと頷いて、畳んでいた足を伸ばし、立ち上がる。


「おいで」


導かれるまま、ベッドに腰掛ける。肩も太腿も触れ合う距離に隣に座った角名くんの分も、スプリングがぎしりと軋む。自分より高い位置にある角名くんの唇を、体を寄せて少しだけ背を伸ばしてつかまえる。


目を瞑り、ふにふにと柔らかな感触を楽しんでいると、ぬるりと唇を舐め上げる角名くんの舌。びっくりして、あっと小さく声を漏らすと、その隙間を狙っていたかのように口内へ侵入してくる。


『ぁ、ぅ......ん、っふ、りん...』


「ん......っ、かわい...」


角名くんの手が、耳の輪郭をなぞる。普段触られない所への刺激は、ただ撫でているだけでも十分強くて、ふるふると体が震える。


両耳に、角名くんの人差し指だろうか、とにかく何か指が入ってくる感覚。そして、ぞわり。何これ、キスの音、すごい。


『や、ぁ......り、んっ、これ...』


「耳、イイ?」


じゃあもっとしようか。


角名くんは私の反応が合図だったかのように、舌の動きを激しくする。もちろん、耳は塞がれたまま。口の中の感覚がダイレクト中に伝わって、ぷちゅ、くちゅ、という生々しい水音がまるで頭の中で反響してるような。


ものすごく恥ずかしくて、なのに気持ちよくて。キスの合間に感じる吐息が愛おしくて。頭が芯から痺れるみたいな、そんな長いキスは全然終わらない。


『...ぁ、りん......っや、ぁ』


角名くんのシャツを手探りで見付け、ぎゅっと引っ張って限界を告げると、察してくれたのかようやく胸いっぱいに空気を吸うことができた。


 
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