Volleyball Boys 3《ハイキュー!!》
第1章 ★Vê você:日向
「えっと、陽菜乃サン…?」
『わ、ごめん!つい!』
翔陽の髪に気を取られていて、タオルの下で翔陽がどんな顔をしているか分からなかった。ちょっと照れたような子供みたいなカオ。本当に同い年だろうかと疑いたくなってしまう。
『ちゃんと体も拭いてね、
じゃあ私もシャワーしてくるから』
ベッドで待ってて、と伝えると、どこからか見つけたバスローブを着て、律儀に正座しているのが曇ったガラスの向こうに見えた。汗を流しながら翔陽を観察すると、ソワソワと落ち着かない様子でシーツを直したり、靴を揃えたり、電気をいじってみたり、とにかく動いている。
あんまり待たせてしまうのも申し訳ないと思い、ボディソープで体を急いで洗ってから──念入りに洗うところは勿論念入りに──髪もろくに拭かずにタオルを体に巻き付けてバスルームを出る。
『おまたせ』
「うん、って、髪乾かしてない!」
あたかもさっきの私のように、女の子なんだからダメじゃんと翔陽に使ったのと同じフェイスタオルで髪をわしゃわしゃと拭く。こんな感覚なんだ、なんかちょっとお母さんみたいかも。
そんな感想を抱きながら、バスローブから覗く肌色の胸元にこつんと額を付ける。じんわりと伝わってくる湯上りのほのかな熱に、ほんの少しだけ心臓が速くなる。
「っ、えと、陽菜乃?」
『ん〜?』
名前を呼ばれたので適当に返す。髪を拭いていたタオルがバサリと床に落ち、それからぎこちなく腰に腕が回される。同じように、背中に手を回せば、込められる力がいっそう強くなった。
「おれ、もうシたい、かも。我慢できない」
そう言いながら、既に硬くなって熱を持ち始めているソレが、バスローブ越しにぐいとお腹に当たる。そして思う、まてまてこの顔で、この体で、この身長で、この大きさなのかと。これはいささか、不釣り合いというかなんというか、
『え待って、デカくね…?』
「エッ!そうかな!?」
慌てて飛び退く翔陽に、期待も込めてクスリと笑う。その横をするりとすり抜けてベッドへ腰掛ける。あんなのが、中に入ったら。そう思うと心臓とは違う、もっと下腹部の方が、きゅんと疼いた。