第2章 出会い
リンはシャンクスに抱きかかえられながらルフィの気配をシャンクスに一生懸命伝えた。そうしてシャンクスとリンは森の中をあっちこっちとうろうろした。しばらくすると木の実をかごいっぱいに持ったルフィが木の下ですやすやと寝ている姿が見えてきた。
『ルフィ!!よかった。』
リンはルフィが無事でいることに安心した。シャンクスは本当にルフィが見つかったので驚いた。リンを疑っていたわけではないが、シャンクスたちでも気配を感じ取れない距離にいたルフィをリンが見つけたからだ。
「リン。今日みたいにルフィの居場所がわかったりすることがあるのか?」
『たまにあるよ。ルフィとかマキノさんとかシャンクスたちとか。』
「なるほど、リンはすごいな。」
シャンクスは微笑んでリンの頭をくしゃくしゃとなでる。リンはなでられることにくすぐったさを感じながらシャンクスに褒められたことをうれしく思っていた。
「リンのその力はおそらく見聞色の覇気というものだ。使いこなせるようになったら将来役に立つ。俺なら教えてやれるが、習ってみるか?」
『シャンクスが教えてくれるの?やってみたい。』
まだ力のことはよくわからなかったが、もっとみんなの、ルフィの力になりたくて役に立つのなら習ってみることにした。
「そうか!じゃあまずはルフィと帰ってみんなを安心させてあげないとな!リンも早く寝て熱下げろよな。」
『うん、わかった。』
そのあとリンは疲れていたのか眠ってしまい、シャンクスはスヤスヤと眠る二人を抱えて夜の森を歩いて行った。
それからしばらくしてシャンクスたちが船を出す日がやってきた。ルフィとリンは見送りに港に来ていた。
「この船出でもうこの町には帰ってこないって本当!?」
『もう会えないの?』
二人はもう会えないかもしれないさみしさと悲しさを押し隠してきいた。
「ああ。ずいぶん長い拠点だった。ついにお別れだな。悲しいだろ。」
「うん、まあ悲しいけどね。もう連れてけなんて言わねえよ!自分でなることにしたんだ海賊には。」
「どうせつれってってやんねーよー」