第4章 初めての仲間
「じゃあ、あいつがゾロか。あの縄ほどいたら簡単に逃げ出せそうだよな。」
「ば、馬鹿言わないでください!危ないですよ!!町の人たちやルフィさん達だって殺そうとしますよ、あいつは!!」
塀の上でギャーギャーと騒いでいるとゾロがこっちを見た。
「おい、そこの奴。この縄ほどいてくんねェか、九日間もこのままでさすがにくたばりそうだぜ。」
「あいつ笑ってるぞ。」
『縄ほどきに行こうか?』
「礼ならするぜ。そこら辺の賞金首殺してその首くれてやる。安心しな、約束は守る。」
ゾロは余裕の笑みでそう言ってくる。コビーは口車に乗せられないで下さいと二人にくぎを刺す。しかしその忠告を聞いてはいない。
「大丈夫だ、コビー。俺は強いからね。」
『いざとなったら私もいるからそんなに心配しないでいい。』
どこまでも自由人な二人に首をうなだれさせるコビーの横にカタンとはしごがかかる。
「え?」
「『ん?』」
「シーッ!」
はしごを上って表れたのはまだ小さい女の子。その子は手に何かを抱えてコソコソとゾロのほうに歩きだした。
「あっ、ちょっと君!危ないですよ!!ルフィさん止めてくださいよ!!あの子殺されちゃいます!!!」
「なら自分でそうしろよ。」
『まだ殺されてない、大丈夫。』
「殺されてからじゃ遅いんですよ!?」
そうこうしているうちに女の子がゾロのもとへ辿り着いた。
「あのね、お兄ちゃんずっとこのままでお腹すいてるでしょ?リカおにぎり作ってきたの!」
そう言ってゾロの前におにぎりを差し出した。
「私初めてだけど一生懸命作ったから、」
「腹なんか減っちゃいねェ、それもってさっさと失せな!」
「だけど・・・。」
「いらねェっつったろ!帰れガキ!!」
「ロロノア・ゾロォ!!!イジメはいかんねイジメは。親父に言うぞ。」
そこにチャラチャラと装飾をつけた偉そうな男がやってきた。コビーがホッとした様子で言った。
「良かった、あれは海軍の偉い人ですよきっと。あの子が殺されずにすみそうです。」