第3章 新しい家族
リンは数日マキノさんの酒場の手伝いをしていて、それを終えてコルボ山に帰っていると日が暮れ始めていたはずなのに空が明るいのに気づいた。
『なに?山火事?それにしては大規模かも・・・。』
山火事であればみんなのことが心配だ。何事もなければいいけど。なんだかざわつく胸をおさえて帰り道を急いだ。
「リン!おまえ帰ってきたか!!」
『ダダンさん!今どうなってるんですか?』
「不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)が燃えてるんだよ!!確かエースとサボとルフィがいたはずだ!!」
『エースとサボとルフィが!?助けに行かなきゃ!!』
そう言ってリンは飛び出していった。
『待ちな!!リン!!!って聞いちゃいねェ。おい!!私たちも行くよ!!!』
ダダン達も急いで飛び出すがリンはもういなくなった後だった。
リンはエースとサボとルフィを探し回っていた。どこもかしこも燃えていて、ここにいたたくさんの人たちはどこに行ったのだろうと思いをめぐらす。しかしこんなに燃えているのは人為的なものを感じる。港のほうにまで火が上がっているのは明らかにおかしい。まるでここから出られないようにしているみたいだ。その考えに寒気がした。そんな非人道的なことがあってたまるものか。ふいに港のほうに船が止まっているのが見えた。あの船に助けを求めればここの人たちが助かるかもしれない。火で逃げ道がなくなる前に急がなければ。
『すみません!!どなたかいらっしゃいますか!!!助けが欲しいのですが!!!』
するとフードを目深にかぶったたくさんの人たちが出てきた。怪しい装いにひるんだが頼みの綱はこの人たちしかいない。
「もとよりそのつもりでここにやってきた!!まだ逃げ遅れた人を見かけたらここのことを伝えてくれないか!!」
『わかりました!!ありがとうございます!!!』
よかった。助けてもらえるようだ。リンは安心して、再びルフィ達を探しに行った。