第19章 異次元の狙撃手〜1人目の狙撃〜
ーー貴方side
雪「コナン君、これ」
コナン「えっ、スケボー⁉︎」
私は鞄からコナン君が普段使っているスケボーを取り出した。出掛ける前、何かあるかも知れないと哀ちゃんに渡されていたのだ。
雪(陣平さん達に森山仁さんの事伝えなきゃ)
狙撃場所に急いで向かう為、メールで簡潔に陣平さん達に伝え世良ちゃんのバイクの後ろに乗った。
コナン「狙撃場所は2箇所、どっちだと思う?」
世良「僕は高い方、雪は?」
雪「わ、私?」
弓道部エースとしての意見が聞きたいと言う世良ちゃん。確かに真っ直ぐ的を狙うが、と思いながらも私なりの応えを伝えてみる。
雪「高い方かな、割れたフロントと森山さんを直線で結ぶと低いビルが目の前にあるけど……あの時、森山さんの車は駐車場から出来っていなかった」
坂道での角度を考えると高い位置からの狙撃が可能性として高い。そして、私は現場付近で1番高いビルを指差す。
雪「あのビルだと思う」
世良「僕も同じ意見だ、少し飛ばすよ!」
そうして辿り着いたビルにコナン君は1人で入っていく。危ないと叫ぶ世良ちゃんはバイクから降りてコナン君を追いかける。
世良「雪は怪しいやつがいないか、ここで見てて!」
後を追いかけた世良ちゃんはビル内に入るとエレベーターに乗って屋上へと向かった。暫くすると2人が入り口から出てくるのが見えて駆け寄る。
雪「2人共、大丈夫⁉︎」
世良「大丈夫だよ」
コナン「雪姉ちゃんの言った通り、ここが狙撃地点だったよ」
どうやら屋上に空の弾丸とサイコロが置いてあったと教えてくれたと思えば、場所を当てるなんて凄いと褒め始める2人。これは喜んで良いのか戸惑ってしまう。
その後、私はこの事もメールで伝え世良ちゃんのバイクで博士の家へと帰った。帰宅後、博士や哀ちゃんに心配されて2時間もお説教されてた事は秘密である。