第19章 異次元の狙撃手〜1人目の狙撃〜
ーーコナンside
集合場所へと歩き始めた雪の手を取り、帰れと告げる。
コナン「危ねえから、お前は帰れ」
雪「嫌だ」
コナン「っ! 近くにスナイパーがいるかも知れねえんだぞ!」
確認だけとはいえ何があるか分からない、雪を危険な目には遭わせたくない。だから帰れと言ったが嫌だと反論する。
雪「危険なのはコナン君も世良ちゃんもだよ。見張らないと無茶するでしょ!」
真っ直ぐな目で見てそう言った雪は俺の手を解き、世良との待ち合わせ場所へと再び歩きだす。
コナン(これは意地でも着いてくるな……)
歩き出した雪の跡を追いかけ、条件を守れるなら着いて来ても良いと伝えた。
コナン「俺から離れない事、本当に何があるか分からねえから」
雪「うん、約束する」
大きく頷いた雪、こいつだけは何があっても守る。多少無茶して怒られたとしてもだ。
コナン(俺はお前の事が……大切だから)
ーー貴方side
雪「世良ちゃん!」
コナン「動きはあった?」
待ち合わせ場所に行くとバイクに軽く腰掛けている世良ちゃんがいた。コナン君の質問にまだ無いと応え、私達は森山仁さんがいるという建物に乗り込もうとした時だった。
ピー、ピ
クルマ ガデマス ゴイュウイクダサイ。
建物の地下駐車場から森山仁さんが車に乗って外出をしようと小さな坂を登っていた。それに気付いた私達は慌てて彼の元へと走りだす。
ピュン!
雪「……っ⁉︎」
パリーン
森山「ゔっ……‼︎」
雪・コナン・世良「「っ!?」」
一瞬、私の頬を何かが掠めたと思えば目の前で森山仁さんが狙撃された。そしてハンドルに寄りかかるように倒れた彼の車は、制御を失い私達の方へ突っ込んできた。
世良「まずい、逃げよう!」
雪「……っ‼︎」
ガシャーン!
車はガードレールに直撃、その後停止した。私達は驚きに危険だと伝えられなかった悔しさや後悔といった様々な表情をする。
世良「そ、そんなっ……‼︎」
コナン「くっ‼︎」
私は小さく深呼吸をし辺りを見渡す。撃った弾の直線上を確認すると近くに低めのビル、離れた場所に高いビルがあった。
雪「……狙撃場所を探そう」
森山仁さんは恐らくもう助からない、こんな事をする犯人が許せない。私は2人にそう告げると鞄からある物を取り出した。