第3章 放課後と喫茶店
ーーー松田side
店に入り萩原と席に座って彼女を待つ。安室……降谷は呆れた顔で雪に会いに来たんだろと言ってきた。
そうじゃなきゃ、こんな店には来ねぇ。
松田「隼斗に幸せにしてくれって言われたしな」
7年前の11月7日、雪の親父さんが亡くなった爆弾事件は未解決のまま時が流れていた。この事件をきっかけに、俺と萩原、雪の兄である隼斗は捜査一課強行犯三係に移動となった。
そして今から3年前の11月7日、あの爆弾事件が再び起きたのだ。爆弾予告が届き、場所を特定した俺と隼斗は現場は向かう。雪の親父さんの仇を取るために。
俺の運転する車の中で隼斗はメールを打っていた。
松田「誰にメールだ?」
隼斗「雪だよ、今日友達と出掛けるって言ってたから、一応ね」
成る程と軽く返事をする。隼斗は雪を溺愛している。それはもう呆れるくらい。親父さんの殉職後は更に大切にしていた。
隼斗「なあ、松田」
松田「なんだー」
隼斗「俺にもしも何かあったら、雪の事頼んだよ」
突然何言ってんだと少し強い口調で言うと苦笑いしながら、ごめんと返された。
隼斗「親父の仇も取りたいし、これから何が起こるか分からない……だから雪の事、お前に任せたい。口悪い所はマイナス点だけど」
松田「口は余計だ。てか俺、ガキには興味ねえ」
隼斗「またまた〜雪の事、好きだろ?」
隼斗は親父さんと同じで雪の事が大好きだ。親子揃って俺と萩原に可愛い自慢をしてくる。笑顔が可愛くて優しい子ってのは認めるが相手は中学生。
まあ、好きか嫌いで選ぶなら……好きではある。
松田「……幸せにするなら、俺よりも萩原の方が適任だろ」
萩原は親父さんの殉職以降、雪の事をやたら気にしていた。初めは心配で気にしてるのかと思っていたがどうやら違うらしい。
隼斗「まあな……萩原の奴、雪の事が好きなんだろな」
松田「お前もそう思うか」
隼斗「そりゃあな、それなりに一緒にいたし」
警察学校で俺や萩原、降谷達とそれなりに連んでいた隼斗。萩原の変化に気付くのも当然か。
良いのかよと言うと、本気なら許可すると苦笑いする。
隼斗「でも俺は……お前に頼みたい。雪の事、萩原だけじゃ不安でしかない。まあ、降谷達でも良いが今は連絡取れてないしな」
そんな事を話していたら目的地に到着した。