第14章 ベイカー街の亡霊〜エンディング〜
ーー松田side
静まり返った会場から小さな機械音が聞こえ始める。それは段々と大きくなり音の発信源はステージ、コクーンからだと分かった。
ウィーン
ウィーン
ステージに沈んでいたコクーンが次々と現れ会場が喜びに包まれていく。全てのコクーンが揃いカプセルが開いた。それを見た瞬間、我が子の元へと走り出す親の姿。
小五郎「らーん!」
小五郎さんも急いで娘の元へと走る。俺と萩原は目暮警部に視線向けると、行ってこいと頷かれ雪の元へと向かう。
松田「雪!」
雪「あ、陣平さ……」
ギュッ
松田「無茶しすぎだ、馬鹿」
萩原「でも無事で良かった」
雪「うぅ……苦しいです、2人共」
我慢しろ、と言い俺と萩原は雪を抱きしめる。物凄く心配したんだ、これくらいは良いだろう。
ウィーン……
雪「あっ……」
萩原「どうしたの?」
雪「……いえ、何でもないです」
何処かを見る雪の顔は優しい顔をしていた。きっと俺達の知らない所で何かあったんだろう。
松田(……今はそんな事、どうでもいい)
今は雪が無事だった事を感じていたかった。大切だと本気で想えた存在を。