第13章 ベイカー街の亡霊〜クライマックス〜
ーー貴方side
本当の姿見せたヒロキ君は、今は現実との交信を切っているから気にせず話せると言われコナン君は見破ったきっかけを話し出した。
コナン「最初はビッグベン、君は針が動く前に気づいた。あれは俺達に時間の意味を教えようとしたんだらう?」
そして次にサッカーボール、サッカー好きなら興味を持つはずのボールに興味を持たなかったからと。
コナン「君は危険な目に遭いつつ、一致団結する事を望んでいたんじゃないか」
雪「私達が協力して乗り越える事を?」
ヒロキ君は頷き正解だと答えた。そして彼は諸星君の体を借りたのは一度で良いから一緒に遊びたかったと応えた。
ヒロキ「いつも1人で仕事ばかりだったから……ごめんよ、怖い思いをさせて」
でも楽しかった、と言いながら涙を零す彼に私は近付きそっと抱きしめた。
ギュッ
ヒロキ「えっ……」
雪「私も楽しかったよ、ヒロキ君と遊べて」
ヒロキ「ありがとう、お姉さん」
体を話し彼を見ると泣き止んだようでホッとする。安心しているとヒロキ君が樫村さんの事件は無事に解決したと教えてくれた。
ヒロキ「……そろそろ、お別れだ」
ピキャン
コナン「ヒロキ君の心はノアズアークの中で生き続けるんだろ?」
コナン君の問いに首を横に振るヒロキ君。どうやら大人達に悪用されるかも知れないという理由から消える事を決めたらしい。
ヒロキ「目が覚めても、これだけは覚えていてほしい。現実の世界はゲームのように甘くないってね」
そう言って笑ってみせるヒロキ君に私達は頷き、現実世界に続く入りへと足を向ける。
コナン「お父さんに会えるといいね」
雪「ありがとう、ヒロキ君」
私達はそう言い残し元の世界へと帰って行った。去った後、ヒロキ君がお礼とコナン君の本当の名前を呼んでいた事は誰も知らない。