第12章 ベイカー街の亡霊〜最終列車〜
ーー松田side
工藤さんの推理は当たっており、俯いた社長はヒロキ君の死や樫村さん殺害について語り出した。
シンド「私は怖かったんだ、私に流れる血が!」
世間にバレるのが怖かったと頭を抱えながら話す社長に怒りが込み上げてきた。
松田「流れる血がなんだ、世間の目がなんだ! どうして戦おうとしない‼︎」
拳を握り締め殴りたい気持ちを抑え、俺はシンドラー社長に手錠をかけた。
ーー貴方side
襲い掛かってくるジャックザリッパーに反撃する事が出来ず、躱すだけしか出来なかった。
ジャ「逃げているだけでは捕まえられないぞ、後10分で終着駅だ」
運転手がいないこの状況でどうなるかと言われハッとする。このまま行けば、確実に駅に突っ込んで全員ゲームオーバーだ。
ジャ「最も、駅に着く前にお前達はお陀仏だかな!」
蘭「雪、後ろ!」
蘭ちゃんの叫びで振り返るとトンネルが迫っていた。慌てて伏せて回避する。だがそれが油断だった。
ガッ
雪「う”っ……」
ジャ「ここまでだ娘」
雪「ぐぁっ……うぅ……!」
トンネルを抜けた瞬間、伏せていた私を蹴り仰向けの状態にしたかと思うと首元に足を置き身動きが取れなくなる。
コナン「雪姉ちゃん!」
諸星「姉ちゃんを離せ!」
バシッ
蘭「大丈夫⁉︎」
諸星「な、何とか…⁉︎」
諸星君が私を助けようとしたが躱され列車から落ちそうになったが、なんとか無事だったらしい。
ジャ「お前は弱そうだし先に切り刻んでやろう」
雪「う"……ぐぅ……!」
首から足をどけ馬乗りの体勢になり、今度は手で首を絞めた。苦しくて暴れる私を簡単に抑え込みナイフを突構える。
ーー松田side
雪『ぐぁ……あ"ぁぁ‼︎』
ジャ『ハハハ、抵抗しても無駄だ』
悶え苦しむ声が会場に響く。その声に恐怖で顔が引き攣る者や耳を塞ぐ者もいる。それは俺達も同じだった。
目暮「どうにか止める事は出来ないのか?!」
シン「無理だ……誰にも止められない」
助ける手立てが無いと言われ目暮警部の青ざめていた顔が更に酷くなる。こうしている間も雪の苦しそうにする声が聴こえている。
松田「ふざけんな……こんなのってねえよ!」
ゲームオーバーになるのを待つしかない状況を認められない俺は近くの壁を殴り付けたその時、小五郎の娘の声が聞こえた。