第12章 ベイカー街の亡霊〜最終列車〜
ーー貴方side
雪「ダメ、蘭ちゃん!」
ボンッ!
コナン「煙幕!……窓を開けて!」
私の静止は間に合わず、煙幕で何も見えなくなった。コナン君の指示で窓を開け辺りが見えるようになった。
雪「蘭ちゃんと」
コナン「奴がいない……それに……」
キョロキョロするコナン君に釣られて辺りを見渡す、先程までいたはずの乗客が消えていた。
ーー松田side
あの坊主の推理を聴いた直後、工藤さんが突然話し出した。
工藤「さて、我々も樫村殺害の犯人を捕まえる事にしましょう」
分かったのか、と驚く目暮警部に工藤さんは話を続ける。
工藤「問題はこの会場にどっやって凶器を持ってきたのか」
そうして語り出した工藤さん。凶器は元々この会場内にあり、それは飾られていた短剣を持った像だという。
目暮「会場には大勢の客がいたんだ、どうやって持ち出すんだ?」
工藤「照明が落ちた時に抜いたんです。予めタイムテーブルで決まっていましたから」
成る程、時間が決まっていれば行動は簡単だ。だが暗闇で短剣を持っていくとなると疑問が生まれる。
萩原「持ってたらバレちゃうんじゃないの?」
工藤「偽物を置いたんです、段ボールにアルミか何かを巻いて」
松田「じゃあ、今あの像が持ってるのは本物か?」
工藤さんは頷き、いつの間にか調べた凶器に樫村さんの血液型と同じルミノール反応が出たらしい。
工藤「指紋も出ましてね、貴方でしたよシンドラー社長」
シン「当然だろう、あれは私の家から運ばれた物なのだから」
確かに指紋が付いていても変ではない、だが工藤さんは1本のテープを取り出す。それは会場内の監視カメラ映像の物らしく博士に渡し、映像を確認する。
工藤「パーティー内でサッカーをしていた諸星少年が短剣に触れているんですよ」
映像を確認すると確かにサッカーをしていたガキ共の1人が短剣を戻している。というか、会場でサッカーとか何やってるんだ。
萩原「そうか、この短剣が本物ならこの子の指紋が出るはず」
松田「だが出てきたのは社長の指紋だけ」
シン「フッ……少年の後に私が触ったから指紋が消えたんだ」
堂々と反論するシンドラー社長だったが、慌てて入ってきた千葉刑事はある物を手にしていた。