第11章 ベイカー街の亡霊〜危険な掛け〜
ーー貴方side
コナン君の指示に従い裏口へと走る。揺れも大きくなり急がないと危険な状況の中、私のすぐ後ろを走っていた哀ちゃんの声が響いた。
灰原「危ない!」
ドオオオオオオン
雪「哀ちゃん!」
振り返ると哀ちゃんはコナン君を庇う様に倒れ込んでいる。どうやら近くに置いてあった像が倒れてきたらしい。
雪「哀ちゃん、コナン君!」
コナン「灰原、大丈夫か!」
コナン君は庇ってもらったお陰で無事だったようだが、哀ちゃんはダメージを受けてしまった。
灰原「ダメよ諦めちゃ、お助けキャラが居ないなら私達にとってのホームズはあなた。ホームズに解けない事件はないんでしょう?」
光に包まれ消え始める哀ちゃんの手を私は握りしめる。最後まで一緒にいたかった悔しさと後ろにいたのに助けられなかった後悔が込み上げて来る。
灰原「泣かないで、まだ終わった訳じゃない……江戸川君とこの事件を解決して」
雪「……解決する。皆も助ける、だから待ってて」
今にも溢れそうな涙を拭い取り、蘭ちゃん達の後を追いコナン君と走り出した。
『早く、早く!」
外に出ると警官が避難誘導をしていた。私達はそのまま路地へと入る。蘭ちゃん、アイリーン、諸星君の順に路地をを通り抜けていく。抜けてた直後、蘭ちゃんが戦闘体制に入る。
蘭「後ろへ! ハァッ!」
ブンッ
ピーッ!
?「……チッ……」
襲ってきたジャックザリッパーに蹴りを入れようとしたが避けられてしまった。だが警官の笛の音で襲撃を断念したらしく、その場から立ち去る犯人。
蘭「待ちなさい!」
雪「逃がさないんだから!」
私と蘭ちゃんを先頭に諸星君とコナン君が後を追う。一瞬、コナン君がアイリーンと何か話していたが聞き耳を立てる余裕は無かった。
雪(もうこれ以上好きにはさせない!)
ーー松田side
樫村さん殺害事件を調べていた工藤さんが俺達のいる部屋へと戻ってきた。
工藤「どうなっています?」
阿笠「コナン君達は今追いかけている」
工藤「ジャリングクロス駅!」
博士が見せた地図に険しい表情になる工藤さん。この駅に何があると言うのだろうか。