第11章 ベイカー街の亡霊〜危険な掛け〜
ーー貴方side
何故そんな事をしたのか不思議そうにする皆にに私は話を続ける。
雪「シャーロックホームズに詳しいのはコナン君だから、撃たれても問題無い私が前に出て……」
ギュッ
理由を話している途中で蘭ちゃんに抱きしめられてしまった。どうしたのかと思っていると体を離した蘭ちゃんは少し涙目だった。
蘭「だからって危ないでしょ」
雪「だって、これくらいしか出来ないと思って……」
コナン「だからって無茶しすぎだよ!」
暫くの間、コナン君と蘭ちゃんからのお説教を受け、現実世界でお詫びすると言う事で落ち着いた。その後、諸星君達が今回の事を謝罪し改めて共に頑張ろうと誓い合った。
明日まで何もする事が無い私達はホームズの下宿先へと戻る事になった。
蘭「そう言えば……前に新一がホームズとモリアーティ教授が対峙した時、気に入ってる台詞があるって言ってたの覚えてる?」
それはまだコナン君が新一になる前、3人でトロピカルランドに遊びに行った時の事だった。新一はホームズの話ばかりするので私と蘭ちゃんは呆れて聞き流していた。
雪「うーん、あの時は聞き流してたからな……」
蘭「雪もか…」
雪「コナン君に聞いてみる?」
分からないなら本人に聞こう、と声を掛けようとしたが止められてしまった。コナン君が分かる訳ないと。
雪(本人なんだよね……でも新一ってバレる訳にもいかないか)
私は蘭ちゃんの言葉に頷きながら下宿へと向かった。
日が昇り始めた頃、私はコナン君と共に2人目の被害者の現場に来ていた。静まり返った教会を見て廻るコナン君に私も続いた。
雪「どうして私まで此処に……って、ん?」
扉の近くに紙が貼ってある事に気付きコナン君に伝える。英語で書かれた文字は日本語へと変わり、教会の親子バザーについての内容が書かれた紙だと判明した。
雪「第二土曜日に親子バザーを開催します、だって」
コナン「第二土曜日……確か、ハニーチャールストンが殺害された日は」
ポケットから1枚の紙を取り出すコナン君、ホームズの資料を確認すると土曜日となっていた。
雪「あ、そろそろ戻らないと」
コナン「そうだな」