第11章 ベイカー街の亡霊〜危険な掛け〜
ーー貴方side
コナン「もうお芝居はやめたら、おじさんはモリアーティ教授じゃないんでしょ?」
どういう意味だと思っているとコナン君は本物のモリアーティ教授に指をさす。
コナン「声は全て教授が腹話術で喋ってたんだよね」
教授「クククッ、そこまで見抜かれていたとは何故分かった」
笑いながら姿を見せた教授はコナン君に理由を聞く。どうやら香水の匂いとモラン大佐が敬語を使っていた事から分かったらしい。
教授「見事だ、まるでミニホームズを見ている様だ」
推理を誉めてもらい嬉しそうにするコナン君だったが、真剣な顔になりジャックザリッパーについて聞いた。街に解き放ったのかと聞くと、当たらずとも遠からずという回答だった。
教授「母親に捨てられた浮浪児で、私が殺人鬼に育て上げた」
蘭「なんの罪も無い女性を狙うのは何故ですか?」
蘭ちゃんの問いに対し、想像以上の行動を取っている暴走状況だと教えてくれた。
教授「君達がジャックザリッパーを捕まえようとしているなら、私も協力しようじゃないか」
不敵な笑みを浮かべながら、教授の指示にまだ従うはずだから先回りして捕まえれば良いと提案してきた。
コナン「どうやって?」
教授「サンディタイムズに指示を書いておく」
コナン「誰を殺すの?」
教授「明日の新聞を見れば分かる」
かなり危険な提案に諸星君は信じるのかとコナン君に聞くと、教授の言葉に賭けてみようと答えた。
教授「健闘を祈る」
コナン「3年後、ライヘンバッハの滝にご注意を」
教授「ん?」
立ち去る教授に言い放った言葉に蘭ちゃんはライヘンバッハの滝について、ホームズと対決して教授はそこで亡くなったと説明した。
雪「なんであんな事言ったの?」
コナン「ホームズと同じくらい気に入ってるんだろうな」
雪「じゃあ実際に会えて良かったね」
とクスクス笑っていると、何かを思い出したコナン君は不服そうな顔で私を見てきた。
コナン「そう言えば、なんであんな危険な事したの?」
雪「あの時?」
コナン「モラン大佐を煽る様な事したでしょ」
危ないだろ、と少し怒った様子で聞いてくるコナン君、確かにと近くで聞いていた蘭ちゃん達も理由を知りたいと近寄って来た。
雪「皆が撃たれるのは見たくなくて……それに、コナン君は絶対に生存させなきゃって」
コナン「えっ、僕?」