第10章 ベイカー街の亡霊〜ホームズが居なくても〜
ーーコナンside
トランプクラブに着いた俺達、店内の様子を把握する為1人で裏口に向かう事にした。雪は俺の元にしゃがみ込んで心配そうに声を掛けてくる。
雪「気を付けてね」
コナン「大丈夫、直ぐ戻るから」
雪「約束だよ、様子を見たら戻ってきてね」
無茶はダメだよ、と言われ俺は分かったと頷き歩き出した。店内ではテーブルでモラン大佐がポーカーをしている。どうやら今日の勝率は良いらしい。
コナン(?……あのサルは?)
目に入ったのはモラン大佐と勝負していた男の後ろで餌を食べていたサル。良く見ると器用に赤と黒の実を食べていた。
諸星「どうだ眼鏡」
コナン「なんで個々に⁉︎」
諸星「手柄を横取りしようなんて、そうはいかないぜ」
滝沢と共に入ってきた諸星に俺は仕方ないと思いながら店内の様子を見る事にした。
諸星「モランって奴はポーカー強いんだな」
コナン「イカサマだよ」
驚く2人にサルが手札を教えていると説明した。説明してる際にテーブルの奥に綺麗に装飾された椅子にワインとグラスが置かれていた。誰の席だろうと考え始めた時だった。
諸星「イカサマだ!」
コナン「!?」
店内に響き渡った声に俺を含めた客は声の方へと顔を向ける。声の主は諸星、モラン大佐に向かってイカサマをしていると説明した。騙されていた男はモラン大佐に怒りをぶつけていると諸星は腰から剣術を取り出した。
諸星「そっちの揉め事は後にして貰おう、モリアーティ教授は何処だ?」
モラン大佐に銃を向けた諸星に対し一瞬驚いた顔をしたが直ぐに戻り、諸星の元へと近づいて行く。
モラン「貴様、その名を何処で!」
諸星「止まれ!」
バンッ!
近付いて来るモラン大佐に発砲、大佐の肩を掠めた。
モラン「ガキ共を捕まえろ!」
その言葉を合図に店内の客は俺達3人に向かって来る。襲ってきた奴らを交わしていたが1人の男が拳を向けて来る。
蘭「フンッ!」
ドスッ
蘭「大丈夫、コナン君」
コナン「うん」
銃声と騒ぎに気付いたであろう蘭達が加勢しにしてくれた。元太達、守沢、菊川とほぼ全員参加。
コナン「っ! 雪は⁉︎」
辺りを見たが店内には雪と灰原の2人は見当たらなかった。きっと2人は外で待機しているのだろう、そう安心したのも束の間の事だった。