第10章 ベイカー街の亡霊〜ホームズが居なくても〜
ーー貴方side
歩美「誰かと人違いしてるみたい」
コナン「そっか! 俺達をベイカーストリートイレギュラーズと間違えてるんだ」
人違いについて話すコナン君に諸星君が誰だと聞くので探偵団の皆にも分かりやすく説明する。
雪「ホームズが雇っていた浮浪者の子供達の事で、大人じゃ入れない所に行って情報を集めてくるの」
つまり少年探偵団の先輩かなと言うと皆は理解したらしく、諸星君達も成る程と頷いてくれた。そうして私達は女性の後に続きホームズの部屋へと案内された。
歩美「すごーい」
元太「テレビで見たのと同じじゃねえか」
光彦「感動的ですね」
沢山の本に綺麗に飾られた絵画や花、本やテレビでしか知る事が出来なかった空間。
蘭「新一が知ったら羨ましがるだろうな」
雪「そ、そうだね……あっ……」
蘭「どうしたの雪? ……えっ?」
私が見ている方向に蘭ちゃんも視線を向ける。そこには手を合わせ体育座りで何かを考えているコナン君の姿だった。
蘭「似てる……新一に」
雪「えっ⁉︎ そ、そうかな〜?」
ぽつりと呟いた蘭ちゃんに私は慌てた様子で反応する。何やってるのと心の中でツッコミを入れていると女性がコナン君に近付き微笑んだ。
「あらあら、ホームズさんにそっくりね。いつもそんな感じで物思いに耽っているのよ」
女性はそう言うと飲み物の準備をしてくると部屋を出ていった。
蘭「なーんだ、ホームズの真似か」
雪「う、うん!(バレなくて良かった)」
一安心していると元太君が一枚の写真を指差す。そこにはホームズとワトスンが写った写真、工藤優作さんと阿笠博士がうつっていた。
コナン「父さんと博士……」
雪「思いっきり楽しんでるね……」
コナン君と2人で苦笑いしていると諸星君がのんびりしていて良いのかと聞いてきた。
菊川「でも諸星君、何をすればいいの?」
諸星「きっとそこの眼鏡が知ってるさ」
そう言ってコナン君を見る、その言葉で椅子から降り次の行動について説明した。
コナン「ホームズの事だからジャックザリッパーの資料を集めてるはずだよ」
雪「じゃあ手分けして探そうか!」
この部屋の何処かに資料があると見たコナン君に皆は各自で部屋の中を探す事になった。