第10章 ベイカー街の亡霊〜ホームズが居なくても〜
ーー貴方side
私達は無事にホームズが住んでいる下宿へと辿り着いた。代表して蘭ちゃんがドアをノックする。すると扉が開き1人の女性が現れた。
「こんな遅くにどちら様?」
蘭「あ、あの毛利蘭です。ホームズさんにお会いしたいんですけど……」
「ホームズさんとワトスンさんは出張でいませんよ?」
出張でいないとはタイミングが悪い、女性によるとダートムーアに行っているらしい。
雪「ダートムーアって……すみません、今日って何日ですか?」
「9月30日よ」
コナン「9月30日、ダートムーア……そうか、バスカヴィル家の犬事件だ!」
お助けキャラのはずのホームズが出張でいない。私はコナン君に耳打ちする。
雪「ホームズなしで大丈夫なの? さっきの男性も私聞いた事無いんだけど……」
コナン「俺だってあんな変な奴は知らねえよ……」
私とコナン君はどうなってるのかと空を見上げる。博士達が作ったゲームはこんな展開なのだろうか、それともノアズアークの仕組んだ罠なのだろうか。
ーー松田side
ホームズに会えると思っていた雪達と俺達は驚いた。まさか不在だとは思っていなかったからだ。博士は事件の捜査でこの場にいない優作さんへと電話を掛ける。
阿笠「どうやら我々はノアズアークを甘く見ていたよ、ホームズもワトスンも居なかった」
工藤《やはり先を詠まれましたが》
たかが人工知能、ゲームのシナリオまでも書き換えているとは思わなかった。ノアズアーク、奴は俺達が思っている以上に厄介な存在だ。
目暮「優作君が考えたゲームはどう言うストーリーだったんだね!」
困惑し強い口調で電話に向かって話す目暮警部に優作さんに落ち着いた様子で結末を話す。
工藤《プレイヤーはホームズと協力してジャックザリッパーの正体に辿り着き、連続殺人鬼は不治の病に侵された貴族だったという結末です》
冷静に本来の内容を話し終わるとノアズアークの笑い声が響き渡る。
『あはははは、もっと面白いエンディングを用意してあげたよ』
小五郎「子供達が勝ったら、粗大ゴミに出してやるからな!」
ーー貴方side
「アナタ達、2週間前にホームズさん協力して大手柄だったそうね!」
全員「「えっ?」」
ホームズ不在でこれから先どうすればと焦っていると女性は笑顔で家へと招き入れ始めた。