第9章 ベイカー街の亡霊〜1章・いざロンドンへ〜
ーー貴方side
そこは霧に包まれたロンドン、ロマンチックなイメージとは程遠い不気味な街並みだった。
歩美「なんか空気が汚れてるみたい」
元太「匂いもするぞ」
コナン「ロンドンの霧ってのは、水蒸気が凝結した物ではなく石炭や石油を燃やしたスモッグの事なんだ」
詳しいねと感心された時だった、女性の悲鳴が聞こえたと思うとコナン君走り出す。
コナン「ジャックザリッパー!」
雪「ちょっ……1人で行ったら危ないよ!」
蘭「コナン君、雪!」
走り出す彼を追いかける私、それに続いて皆も走り出した。
コナン「逃すかよ!……ってぇ!」
一足先に着いたコナン君は逃げようとした犯人に缶を当てようと蹴ったが、どうやら博士の造った靴が作動しなかったらしい。足を抑えて痛がっていた。
雪「大丈夫?」
哀「どうやら博士の発明品は使えないみたいね」
全員がコナン君に追いついた時、殺害された女性を発見した男性が英語で叫びだす。
歩美「なんて言ってるの?」
光彦「これ英語みたいですね」
小学生には難しい、私も英語は出来る方だが早口で叫ぶ男性の会話を全て聞き取る事は出来なかった。
「ーーーまた犠牲者が出たぞ!」
「これで3人目だ」
英語から日本語に変わった、きっと現実で音声を変えてくれたのだろう。
光彦「日本語になりましたよ」
元太「まるで本物の世界だな」
光彦「肌寒さも、見るもの聞くもの全てが本物みたいです」
コナン「足の痛みもな」
これはゲームなのに本物のような世界に鳥肌が立ってしまう。
蘭「雪、大丈夫?」
雪「平気だよ、ちょっとびっくりしちゃって」
蘭「無理しないでね、何かあれば私が守るから!」
心配さてくれる蘭ちゃんに鳥肌も少し落ち着く。彼女なら本当に守ってくれそうで安心してしまう。そんな中、事件現場に現れた警察官達は犠牲者を見てこう言った。
「すぐにレストレード警部に連絡だ」