第8章 ベイカー街の亡霊〜プロローグ〜
ーー貴方side
小五郎さんの後を追うと、そこにいたのは目暮警部達と椅子に座っている人物がいた。その姿を見て死体だと判断できた。
雪「陣平さん、研二さん⁉︎」
松田「雪⁉︎……と、坊主も一緒か」
萩原「雪ちゃーん! 今日はいつも以上に可愛いね!」
雪「殺人……ですか?」
萩原「えっ……スルー⁉︎」
抱きつこうとしてきた研二さんをサラッと受け流し事件現場である部屋を除く。その際、陣平さんが事件を簡単に話してくれた。
殺害されたのは、コクーンの開発責任者の樫村さん。心臓を一突きされたと言う。
話を聞いた後、コナン君を見ると現場内を見回っており机の上にあるキーボードを眺めていた。
雪(もう……小五郎さんに怒られちゃうよ)
松田「坊主のとこ行ってこいよ」
雪「……いいの?」
松田「お前の言う事なら聞くだろ」
萩原「コナン君は雪ちゃんに任せるよ」
子供が入って良い場所じゃないから、と言って2人は目暮警部の所へと戻っていった。
雪「コナン君」
コナン「ゆ、雪⁉︎」
雪「陣平さん達が早く部屋から出ろって言ってたよ?」
コナン「あぁ、分かった」
雪「……それ、ダイイングメッセージ?」
机の上にあるキーボードにはRとTとJに血痕が付いていた。どうやら彼は何か意味があると判断してその答えを考えていた。
スタッフ「あの……不可解な事があって、ハードディスクのデータが全て破壊されているんです」
小五郎「ライバル会社の破壊攻殻?」
そんな会話が聞こえたと思えばコナン君がもう手遅れだと話す。すると現場に入り込んでいた彼をつまみ出そうとした小五郎さんに言い放った。
コナン「ねぇ机の上のキーボード、ダイイングメッセージじゃない?」
それを聞いて小五郎さん達はキーボードに目をやった。死の間際に押した3つのアルファベットの意味を考える。ふと一つの単語が思い浮かんだ。
コナン(RTJ、TJR……TRJ)
雪「うーんJRT……JTR?」
コナン「JTR? 100年前のロンドン……」
雪・コナン「「まさか!?」」