第8章 ベイカー街の亡霊〜プロローグ〜
ーー貴方side
会場に入ると今回のパーティーがかなり凄いもので、財閥系や政治家等この国を背負っている方々がいると小五郎さんが話す。一方、元太君達は会場内でコクーン体験が出来るバッチを受け取る子供を見て羨ましがっている。
園子「蘭、雪〜」
赤いドレスを着た園子ちゃんが私達の元へやってきた、こうして見るとやはり財閥の娘なんだなと思う。
コナン「……大丈夫か?雪」
灰原「顔色あんまり良くないわね」
場の雰囲気に慣れない私はコナン君と哀ちゃんに心配されてしまった。その声を聞いたのか蘭ちゃん達も大丈夫と聞いてくる。
雪「ちょっと外の空気吸って来るね、少ししたら戻るから」
気を遣われるのも申し訳無いので私はそう言って入り口へと向かった。コナン君も着いてこようとしたが、すぐ戻るからと伝え私は1人会場の外へと出ていった。
ロビーに出ると人は会場より少ない、玄関口にもスタッフと金属探知機があるくらいだ。ぼーっとしていると目の前に見知った人がカメラのフラッシュを浴びながら玄関口に入ってきた。
雪「博士⁉︎ それに工藤先生!」
阿笠「お〜雪君」
工藤「久しぶりだね、君も来ていたのか」
雪「はい! 友達に招待して貰ったので」
工藤先生、工藤優作は新一のお父さんでミステリー作家。そしてコナン君の正体を知っている数少ない人物。
工藤「あいつは元気かな?」
雪「あいつ……あ、新一の事ですか?」
聞き返すと、しーっと人差し指を口に当てて
工藤「こらこら、その名前は」
雪「あ、つい……コナン君は元気ですよ」
工藤「そうか、なら安心だ」
短い会話の後、私は博士と一緒に会場へ戻り工藤先生は壇上挨拶のため一旦別行動となった。蘭ちゃん達と合流すると見知らぬ子供達と何かあったらしく少しムッとしており、小五郎さんは何故か落ち込んでいた。
コナン「1か月もいないと思ったら父さんの手伝いか」
私と博士の所にやってきたコナン君。技術面で手伝いをしていた事を話し、お土産があるとバッチを渡してきた。
コナン「ゲームの参加バッチ?」
雪「私の分もある」
コナン「有り難えけど……」
雪「あの子達を置いて参加するのは申し訳ないかな?」
少し離れた所にいら元太君達を見る、遊んでみたいとは思があの子達を置いて楽しむなんて良くない。
阿笠「そうか? 君達なら絶対に喜ぶと思ったんじゃがな」