第7章 眠り姫に願いを込めて
ーー諸伏side
彼女が爆発に巻き込まれたと聞き慌てて病院へ向かった。到着し松田達のいる病室へ行く。
桜井(諸)「……松田、萩原!」
萩原「も……桜井、来て大丈夫なの?」
桜井(諸)「あぁ大丈夫、それより彼女は? それに松田は?」
病室には萩原しかいなかった。メールでは松田もいるはずなのに部屋にはいなかった。
萩原「今は眠ってるだけ、いつ起きるかは分からないって……」
医者によると怪我は大した事は無かったらしい。目を覚ましても良いはずの彼女は未だに眠ったままだという事だ。
桜井(諸)「そうか……それで松田は? 一緒だったんじゃ?」
暗号が解けたからコナン君と一緒に爆弾解除へ向かったと教えてくれた。松田は初め彼女の側を離れようとしなかったがコナン君に
『雪姉ちゃんの為に決着を着けるんでしょ!』
と言う言葉で爆弾のある場所へ向かった。
萩原「俺も今から向かうつもり、許せないからね」
桜井(諸)「……殴るなよ、犯人」
萩原「俺はそんな事しないよ?……陣平ちゃんは殴りそうだけど」
はは、と笑ってみせる萩原だが彼も相当キレているらしく目は笑っていない。
萩原「起きたら連絡してね」
桜井(諸)「あぁ、すぐに連絡する」
萩原「じゃあ、陣平ちゃんのサポートに行きますかー」
病室を出た萩原は急いで現場に向かったのだろう、廊下を走って行く音が聞こえた。
俺は眠る彼女の手をそっと握る。側にいられなかった悔しさと後悔で顔を下げて、ごめんと呟いた。
?「……そんな顔でどうする」
顔を上げドアの方を見るといつの間に来たのか、スーツ姿の降谷が立っていた。
桜井(諸)「……ゼロも来たのか」
降谷「心配だったしな……まだ眠っているのか」
桜井(諸)「怪我は大した事ないらしい」
俺は萩原が医者から伝えられた事をゼロに教えた。いつ目覚めるかも分からない状況で何が原因かも分からないと。
降谷「……彼女はすぐ起きるさ」
桜井(諸)「どうしてそう言える?」
降谷「信じてるからだ、松田達も彼女がすぐ起きると信じている」
だからお前も信じろと降谷は真っ直ぐな目で俺を見た。
桜井(諸)「そうだな……」
彼女を手を握り直し俺は起きるのを待つ。降谷も時間が許す限り起きるのを見守っていた。