第6章 揺れる警視庁、1200万人の人質
ーー貴方side
気付いた時には遅かった。どうして危険な事をしたのかと。
ーーー数分前
レストランを出て1人空を眺めていた。爆弾事件と聞いて殉職した2人を思い出し場の空気を重くしてしまったから。
雪(11月7日……爆弾事件、か……)
陣平さん達のお陰で前に進もうと、笑顔でいようと頑張ってきた。
雪「はぁ……大丈夫って思ったのにな、どうして今日に限ってこんな気持ちになるの?」
今になって改めて泣きたくなる、だが涙で目が赤くなった姿は見せたくない。グッと堪えて皆のいる場所へと戻る事にした。
雪「……? 研二さんの車かな」
入り口に戻る直前、一台の車が目に入る。恐らく研二さん達が連絡を受けて乗ってきた車だろう。
雪「……なんか貼ってある」
車内のルームミラーに紙が貼ってある事に気付き確認しようと近付くが何が書いてあるか分からない。開くわけないと思いながら運転席のドアに手を掛けた。
ガチャ……
雪「……鍵、ちゃんと閉めないとダメじゃん」
後で注意だなと呆れながらルームミラーを見た。
雪「……っ⁉︎ これってまさか!?」
カチッ…
雪「っ⁉︎ やばっ……⁉︎」
貼ってあった紙を見た瞬間、何かの起動音と共に辺りが光り出した。
バァァァァァァン!
ドンッ
雪「うっ!……(直撃は防いだけど動かないや……紙は無事、みたいだけど……)」
爆風で近くの壁と飛んできた車の破片が腕や脚に当たり出血し痛みで意識が遠退いていく。貼ってあった紙を渡さないといけないのに。
コナン「雪姉ちゃん!」
萩・松「雪ちゃん!/雪!」
子供達「「お姉さん!/姉ちゃん」!」
爆発音を聞いて走ってきたコナン君に研二さん達それに子供達が私に駆け寄る。そして陣平さんは倒れた私を抱き抱えた。
松田「しっかりしろ!」
萩原「救急車、至急お願いします! 」
雪「……っ……こ、れ…」
松田「これって⁉︎」
遠退く意識を引き戻し最後の力を振り絞り陣平さんへと紙を渡す。
雪「くる……にあっ、て……の事件が……また……」
萩・松「「!?」」
コナン(あの事件?)
ガクッ…
コナン「雪姉ちゃん⁉︎」
灰原「大丈夫、気を失っただけよ……」
上手く声が出なかったが陣平さん達なら伝わるだろう。
犯人を……この事件を終わらせて……
そう願い私は意識を手放した。