第6章 揺れる警視庁、1200万人の人質
ーー萩原side
松田「萩原ーそっちあった、か……って雪?」
雪「陣平さん?……何かあったんですか?」
俺達2人に目を丸くする雪ちゃんだったが、何かを感じ取ったのか小声で聞いてきた。言うべきか迷っていると雪姉ちゃんと声が聞こえた。
コナン「まだ悩んでって……松田刑事に萩原刑事?」
現れたのはコナン君、彼は小学生なのに何かと鋭い。俺達2人を見た瞬間、険しい顔になり彼女と同じ質問をしてきた。
コナン「何かあったの?」
萩原「んー、あったと言えばあったけど……」
松田「まあ、立ち話も何だし席に行くか」
仕事で来ていた俺達も一旦休憩という事で彼女達の隣のテーブルに腰を下ろした。
コナン「で、何かあったの?」
萩原「……警察に爆弾を仕掛けたって電話があったんだよ」
コナン「⁉︎ 見つかったの?」
松田「いや無かった」
子供達は驚きを隠せない様子で大丈夫なのかと聞いてくるが雪ちゃんは静かに俺達を見てくる。
雪「……あの事件ですか?」
松田「だと思う」
コナン(あの事件って、一体……)
雪「……」
無言で俯いてしまった雪ちゃん、きっと事件の事を思い出してしまったのだろう。
歩美「雪お姉さん大丈夫?」
雪「えっ……?」
元太「なんだ? 腹痛えのか?」
光彦「いや、元太君じゃないんですから……」
子供達も心配して声を掛ける。心配を掛けてしまった事に気付いた彼女は立ち上がって入り口へと歩き出す。
松田「どこ行くんだ?」
雪「外の空気、吸ってきます」
萩原「なら一緒に……」
雪「少しだけ……1人にして下さい」
そう言って彼女は立ち去った。入り口へ向かう彼女の表情は今にも泣きそうな顔をしていた。
コナン「あの事件って何? 雪姉ちゃんと今回の事件って関わりがあるの?」
暫くの沈黙、それを破ったのはコナン君だだた。
松田「……坊主には関係ねえ話だ」
コナン「じゃあどうして、あんな顔してたの!」
萩・松「「……」」
彼も立ち去る彼女を見ていたのだろう、子供達もどうしてと言う表情でこちらを見る。
松田「だから、お前らには関係な……」
バァァァァァァン!
全員「「!!!?」」
関係ないから関わるなと再度言おうとした時、近くで大きな爆発音がした。
急いで爆発した場所へ行くと俺達が乗ってきた車から炎が上がり、近くには横たわる雪ちゃんが倒れていた。