第5章 動き始めた歯車
雪が部屋に戻り眠った頃、諸伏は外出し松田達と共に降谷の家に集まっていた。
集まった理由は雪について、彼等は定期的に集まって会議している。今回は7日の命日に雪が出掛けるという話だった。
萩原「メールであったけど、雪ちゃん出掛けるんだね」
諸伏「あぁ、だこら6日に御墓参りの予定だ」
松田「それは構わねえが、誰と遊ぶんだ?」
諸伏は雪が7日に遊ぶ相手と1日のスケジュールを一通り話した。
諸伏「……と言う流れらしい」
降谷「彼女が予定を忘れとは珍しいな」
伊達「まあ、こう言う時もあるだろう」
大事な予定を忘れるとは思えない彼女に諸伏以外の4人は何かあるのではと少し不安になる。
松田「てか、あの坊主と一緒ってのが不安だよな」
4人「「………」」
少しの不安が確実な不安へと変わった。米花町は事件が多いが、事件が起きると高確率で江戸川コナンが現場にいる。
諸伏「……今回は何か起きるって事か?」
松田「そうじゃねえが、嫌な予感がしただけだ」
松田の予感がまさか現実になるとは誰も知らない。
11月7日に彼女に危険が迫っている事を
5人が解散したのは夜明け前、諸伏は静かに帰宅し彼女の部屋へと向かった。
ギィ…
扉をそっと開け中を覗くと規則正しい寝息を立てて眠っている彼女がいた。
諸伏(まだ寝てるよな……)
チュッ
寝ている彼女を抱き寄せて頬に軽くキスをし、次に人差し指をそっと彼女の唇に当てた。
諸伏(本当はここにしたいけど……まだ早いかな)
唇にしたい衝動を何とか抑え、抱いていた彼女を離し立ち上がる。
諸伏「こんな事してたら松田達に怒られそうだ」
部屋から出る瞬間、苦笑いを浮かべ彼はそう呟いたのだった。