第48章 忍び寄る影〜前編〜
ーー降谷side
話の途中で入って来たのは桜井、ヒロだった。彼は公安や組織の仕事が無ければ、雪を迎えに来る。
雪「いつもありがとうございます」
桜井「俺が好きでやってるからね」
雪「じゃあ安室さん、お先に失礼します」
カランコロン
軽くお辞儀をして雪はヒロと店を後にした。僕は雪の言いかけた事が気になったが、その前にヒロや風見に今回の件を伝えるのが先だと判断しメールを送信した。
安室(雪は大丈夫だと言っていたが……念の為、にな)
ーーコナンside
学校の帰り、元太達に昨日の男の話をするとどんな人なのかと聞かれ何気なく話す。
歩美「雪姉ちゃんを見てたの?」
コナン「ああ、でもな……」
光彦「接点は無いんですよね」
コナン「そうみたいなんだ」
雪は男性に心当たりは無いと言っていた。尾行までされていると言うのに。
灰原「ストーカー……とかじゃないでしょうね」
元太「トースター?」
光彦「ストーカーです。雪お姉さんに付き纏ってると言う事ですか?」
コナン「うーん、それがどうも違うんだよな……」
歯切れの悪い反応をしていると元太達も難しい顔をしながら歩く。すると歩美ちゃんが何かに気付いたのか立ち止まり前方に向かって指を差した。
歩美「あ、あれ……雪お姉さんじゃない?」
光彦「って、あの人……コナン君が言っていた人じゃ」
指の示す方を見ると少し奥の道で雪が制服姿で歩いており、その後ろを昨日の男性が後をつけていた。
コナン「っ行くぞ!」
元太「お、おい。待てよコナン!」
俺は急いで雪達の後を追いかけた。
ーー貴方side
学校帰り、ポアロでバイトだと言って私は蘭ちゃん達より一足先に帰宅していた。だが、それが間違いだったのかもしれない。
雪(……なんか、着けられてる)
「……」
気が付けば背後に男性が居た。何をする訳でもなく着いてきている。
雪(兎に角、今は急いでポアロに……!)
と思っていたが、突然の恐怖で道を間違えてしまい住宅街へときてしまった。焦り始めた私は足を止める事なく歩いていたのだが更にまずい状況になってしまった。
雪「え……行き止まり⁉︎」
コツン、コツン
雪「!?」
「……」
行き着いた場所ば行き止まり、そして振り返ると男性が立っていた。そして一歩ずつ近づいてくる男性に後退りをする。