第48章 忍び寄る影〜前編〜
ーーコナンside
平日の朝、俺は蘭と小五郎の叔父さんの3人で喫茶ポアロで朝食を食べに来ていた。
小五郎「おぉ、ふわふわのオムレツ……うめ〜!」
蘭「美味しい、やっぱり雪は料理上手ね」
コナン「うん、このサンドイッチも」
雪「そんな事ないよ。はい、お水」
3人で朝食のモーニングセットの感想を言っていると雪が水を持ってやって来た。ここ最近、学校前にポアロに来てバイトを入れているらしい。
梓「ごめんね雪ちゃん、朝から……」
雪「大丈夫ですよ、仕込み準備だけなので」
安室「雪さんの料理は人気ですからね」
そう、雪の料理は人気で特にハムサンドが一番売れている。お昼になると持ち帰りも含めて即完売レベルの商品と梓さんが話す。
雪「それに安室さんが作った朝食が食べれるので私は嬉しいです」
安室「ありがとうございます」
コナン(ちゃっかりしてるな)
そんな光景を見ていると一つテーブルを挟んだ席に1人の男性がハムサンドを頼んで食べていた。何となくじっと見つめていると蘭にどうしたのか聞かれた。
コナン「平日の朝からハムサンドを食べに来てるな〜って」
蘭「確かにモーニングセットじゃなくてハムサンドだね」
帽子を被ったままの30代の男性。誰かを見ているようにキッチンとカウンターにいる3人を見ていた。
小五郎「そういう人もいるだろう。それにあれはきっと梓ちゃん目当てだろう」
そう言って推理をしながら朝食を続ける叔父さんに、流石は名探偵と喜ぶ蘭。
コナン(いや、あれは梓さんじゃなくて……雪を見てたんじゃ……)
そう思いながら俺は朝食を済ませ、学校へと向かった。
ーー貴方side
学校が終わり、私はポアロでバイトをしていた。今日は安室さんと2人でのバイト。梓しんは急用で安室さんと変わったのだ。
カランコロン
雪・安室「「いらっしゃいませ」」
「……ハムサンドを」
雪「かしこまりました」
最近、よく来るおきゃんがいる。30代くらいの男性で毎回ハムサンドを頼んでくれる人だ。
「……ご馳走様」
雪「ありがとうございました」
安室「……」
カランコロン
安室「雪、ちょっといi……」
コナン「雪姉ちゃん!」
ハムサンドを食べ終えた男性は会計を済ませ帰っていくと安室さんが私に声を掛けてきたのだが、入れ違いにコナン君がやってきた。