第47章 落ち着かないキャンプ
ーー貴方side
コテージへと戻ると研二さんにハグをされヒロさんや航さんは見つかって良かったと声を掛けられた。だが零さんの姿は見えず部屋をキョロキョロ見回しているとヒロさんが零さんの居場所を教えてくれた。
諸伏「ゼロならコテージの裏手にいるよ」
雪「分かりました。少し行ってきます」
諸伏「雪、話が終わったら少し俺ともいいかな?」
何の話だろうと思いつつ私は頷き、零さんの元へと向かった。ヒロさんの言う通りコテージの裏手には零さんがいた。
雪「零さん」
降谷「雪!……その、さっきはすまなかった」
雪「……頭を上げて下さい、零さん」
頭を下げてきた零さんに私は頭を上げる様にお願いする。零さんはゆっくりを頭を上げるが私とは目を合わせようとしなかった。
雪「……私こそ、ごめんなさい」
降谷「えっ」
雪「私も何も言わずにあの場から逃げてしまって……」
降谷「いや雪が謝る事じゃないだろ」
悪いのは自分だと言って再び謝る零さんに私はキスされた時の事を話した。
雪「私……その、キスされてびっくりしちゃって……」
降谷「それは当然だ。だから悪かっ……」
雪「でも嫌じゃ無かった……です」
降谷「……えっ?」
私は今の気持ちをハッキリと伝えた。すると零さんは驚いた顔で私を見る。
雪「でも、どうしてキスしたのか……何で私なのか分からないです」
何故、私にキスをしたのか分からない。いや、キスがどういう時にするかは分かっている。でもそれが何故、私なのかが分からない。
降谷「……分からないのか?」
雪「はい……陣平さんにもキスされてたみたいで……」
降谷「……松田に?」
雪「はい……って、あっ……」
つい口が滑り、陣平さんにもキスされていたという事を言ってしまった。すると背後から、どういう事だと叫ぶ声が聞こえた。
萩原「陣平ちゃん、キスしたの⁉︎」
諸伏「されてたって事はゼロより前にしたのか」
伊達「そんな機会あったか⁈」
松田「……」
見ると陣平さんを囲む様に研二さん達が問い詰めている。陣平さんは余計な事を言ったなと少し睨んで来ていた。
降谷「……僕は……」
雪「?」
降谷「僕は雪の傍に居ても……」
雪「居て下さい」
降谷「‼︎……良いのか、あんな事したのに」