第4章 護りたい存在
ーーー降谷side
隼斗「お前、年上がタイプじゃなかったか?」
降谷「……いきなりなんだ」
隼斗「いや〜俺の妹はモテるからさ」
降谷「……妹さんとしか見てないから、安心しろ」
隼斗(これは好きになるな〜)
あはは、と笑う守沢だったが急に真剣な表情になって雪について話し始めた。
隼斗「妹の眼を見てさ、変とか気持ち悪いとか言ってくる奴が多くてさ……家族が違うんじゃない? なんて言う奴もいたんだ」
そんな事を言う奴がいるのかと怒りが込み上げてくる。彼女の瞳はとても綺麗で見ていて吸い込まれそうになるのに。
隼斗「だから……降谷が綺麗だだって言ってくれて俺も嬉しかった。雪のあんな嬉しい顔見たの久々だ」
優しい顔でお礼を言う守沢に、僕も薄い笑顔で返事をする。
降谷「綺麗だったのは本当だしな。そんな事を言う奴は見る目がない、彼女は可愛いし素敵な子だ」
素直にそう思った。瞳だけでなく見た目も可愛いと。
隼斗「……お前、雪に惚れた?」
降谷「なっ⁉︎ 小学生相手に惚れるわけないだろ」
隼斗「口説いたくせに……自覚ないのか?」
守沢は何を言っているんだ。惚れる? そんな事ないはず。
降谷「……早く雪の所へ行ってこい」
隼斗「あはは、そうだな!」
楽しそうにする守沢は彼女の元へと向かう。途中で足を止め振り返る。
隼斗「あ、告白するなら高校入ってからにしてくれよ〜」
降谷「だから違うぞっ⁉︎」
隼斗「あはは、また後でな〜」
守沢が変な事を言ったせいでモヤモヤしなが寮へと戻る。
彼女の事を僕はどう思っているのか……雪の事を……
数年後、気付くと僕は彼女の事を好きになっていた。
まぁ、何処で知り合ったかと風見に聞かれたら……
降谷「……隼斗に紹介してもらった」
間違ってはいない答え。彼女との初めての出会いは胸の内にしまっていたいから。
降谷(それにしても……)
やっと家に着いた雪とヒロが中へと入っていく。何を話しているのか分からないが楽しそうにする2人を見ると
降谷「……羨ましいものだ」
風見「?」
降谷「何でもない。風見、引き続き2人の警護を頼んだ」
風見「はい、勿論です」
この気持ちを……僕は彼女に伝えてもいいのだろうか