第46章 彼女への想い
ーー萩原side
萩原(こんな時に改めて思うとはなー)
松田「お、いた。おーい!」
萩原「しーっ!」
俺達を見つけた陣平ちゃんが声を掛けながら走ってくる姿が見えて静かにと指を口に当ててジェスチャーする。それに気付き、どうしたとやってきた。
萩原「雪ちゃん寝ちゃったんだよ」
松田「成る程な。んじゃ連れて返るか」
そう言って車を取りに行った陣平ちゃん。その後、彼女を後部座席に寝かせて自宅へと向かい始める。途中で犯人が捕まった事や班長もキレていたと教えてくれた。
松田「雪はどうだった」
萩原「……泣いてた」
松田「そうか」
短いやりとり。でも言いたい事はこれで伝わっている。暫く無言だったが、陣平ちゃんがある提案をしてきた。
松田「今度、雪を連れて出掛けるか」
萩原「え?」
松田「気晴らしだよ、あいつらも連れて」
萩原「まあ……確かに」
いきなり何を言っているのかと思いながらも、彼女の気晴らしになるかも知れないと思う俺は小さく頷く。
松田「んじゃ、雪を送ったら班長と降谷呼んで計画するぞ」
萩原「え、今日⁉︎」
松田「こういうのは早い方が良いんだよ」
いつもと違うキャラに戸惑う俺。こんな事を提案する奴だったかと思いながら彼女を自宅へと送っていった。
ーー貴方side
雪「コナン君、ごめんね待った?」
コナン「大丈夫だよ、じゃあ行こう」
そう言われて私はコナン君と共に歩き始める。今朝早く、コナン君から少し付き合って欲しいと連絡を受けたのだ。途中、昨夜の事を聞かれたので飛び出してしまった事を謝った。
雪「昨日は取り乱してごめんね」
コナン「もう大丈夫?」
雪「うん。所でどこに向かってるの?」
目的地も聞かずに誘いを受けた私はコナン君にそう聞くと、公園でサッカーしようという。
雪「私、サッカー得意じゃ無いよ」
コナン「んな事知ってる。遊び感覚でやれば良いさ」
気分転換に、と彼は言うがきっと彼なりの気遣いなのだろう。私はそれを察し、公園に着くと早速ボールを蹴り始める。
雪「ふふっ、なんか懐かしいね」
コナン「急になんだよ」
雪「小学の時、蘭ちゃんと3人でサッカーしたなーって」