第46章 彼女への想い
ーー萩原side
雪ちゃんが部屋を飛び出して数十分、外は暗く女の子1人でいるのは危険な時間。早く見つけないとと探して近くの公園へと足を運ぶとベンチに座る雪ちゃんを発見した。
萩原「雪ちゃん!」
雪「っ‼︎……け、研二さん⁈」
萩原「……っ⁈」
名前を呼ばれて驚いたのか俺のを方を見た彼女の目は泣いていたのか赤くなっていた。
萩原「……隣、いいかな」
雪「はい……」
萩原「……」
雪「……」
隣に座り暫くの無言が続く。何から話せば良いのか、何を話したらいいのか考えていると雪ちゃんがゆっくりと口を開いた。
雪「……あの、立野巡査は?」
萩原「捕まったよ。それから多分、説教しながらね」
きっと俺が出て行った後、陣平ちゃん達が立野巡査に逮捕と説教をしたに違いないと思いそう伝える。
雪「……あの場から出て行ってすみません」
萩原「気にしないで」
雪「……お兄ちゃんと一緒にされたのが、嫌で……だから……」
俯きながら話す彼女はきっと兄の事を、あの日を思い出したのか涙が零れ落ちるのが見えた。
萩原「雪ちゃん……もう良いよ」
ギュッ
萩原「何も言わなくていいから……今は俺しかいないから」
雪「……うぅ……」
そっと抱きしめると彼女は俺の胸で泣き始めた。事件によく巻き込まれる彼女だが、今回の件は巻き込まれてほしくなかった。彼女を追って飛び出して来たが一発くらい殴って来れば良かったと思う。
萩原(俺に、何か出来る事は無いんだろうか……)
彼女は事件に巻き込まれやすい体質。しかも今回の件で相当、気持ちが参っているかも知れない。そう考えていると自分の胸の辺りが急に重くなった。
萩原「……雪ちゃん、急にどう……」
雪「……」
萩原「……寝てる?」
見るとスヤスヤと眠いっていた。こんな短時間に眠れるとはと少し驚いたが、きっと疲れたんだろうと思い俺は彼女を起こさない様におんぶをする。
萩原(寝顔、可愛いな。それに……)
やっぱり、君の事が好きだ。