第4章 護りたい存在
ーーー諸伏side
降谷「雪はあっちの部屋で休め、僕とヒロはここで休む」
雪「私がソファーで……」
諸伏「ダメだよ? 雪ちゃんはあっち」
ガバッ
雪「わっ……も、諸伏さん⁉︎」
諸伏「こうしないと向こう、行かないでしょ」
雪「お、降ろして下さい!」
彼女の言葉を無視して横抱きしたまま部屋へと連れて行った。部屋に入りベッドへと彼女を降ろす。
雪「〜〜諸伏さんっ///」
顔を真っ赤にしてムッと見てくる、恥ずかしいんだなと可愛いと思ってしまった。
諸伏「雪ちゃん、そんな顔しても可愛いだけだよ?」
雪「もう寝ますからっ!///」
照れながら俺の背中を押して部屋から追い出しドアを閉めた。ゼロの所へ戻ると彼は俺を見て苦笑いする。
降谷「ヒロも大胆な事をするんだな」
諸伏「……何のことだい?」
降谷「萩原みたいな事をするんだなと」
諸伏「俺は彼女にしかあんな事しないよ」
降谷(ヒロも雪の事が……?)
ため息を吐き何か諦めた様子のゼロだったが、彼女の持っていた日記を鞄から取り出し読み始めた。
警察学校から書き始めていたらしい日記には、俺達との出会いや訓練の日々の思い出が書かれていた。卒業後は父親の事件や彼女との思い出が書いてある。そして最後の日記には、彼女が俺達に見せてくれた文章があった。
諸伏「色々と書いてあるな……懐かしい」
降谷「そうだな……ん?」
ゼロは何かに気付き日記の最後のページを触る。どうやらページ同士が意図的にくっついていた。
ベリッ
ページを剥がすとそこには俺達に向けたメッセージが書かれていた。
『これを読んでるって事は俺に何かあったって事だよな。読んでるのは降谷とかか?
まあいいや、俺の希望を読んでる奴に託したい。
妹を、雪を頼む。
大切な妹をどうか護って、幸せにしてくれ。
共に過ごした仲間たちへ願いを託す。』
まるで未来が分かってたような文。そして隼斗は妹わ本当に大切だと言う事が分かる。
諸伏「……どうするゼロ」
降谷「託されたんだ、護るしかないだろ」
隼斗の願いだからなと降谷は優しい目で日記を見ていた。
諸伏「そうだね、俺も彼女を護るよ」
降谷「……と、なればどうやって護るかだ。組織の事やライから護らなければいけない」
諸伏「あぁ、そうだな」
さて、これからどうやって護ろうか。