第36章 緋色の弾丸〜15年前の事件〜
ーー貴方side
沖矢「その犯人は模倣犯だと認め、共犯者についても自白した。今回はその模倣犯が出たのではと考えている」
雪「だとすると……今2人、拉致されて解放されるから」
3人目は自動車メーカーのトップが狙われる?、と呟く。模倣犯の模倣犯が日本に来て同じ事をすれば。
沖矢「だろうな……っと、着いたぞ」
コナン「ありがとう」
雪「ありがとうございました。じゃあ私もこれで……」
毛利探偵事務所の近くで車を止めた昴さんにコナン君はお礼を言って車から降り事務所へと帰っていった。私も帰ろうとすると助手席の扉を開けて乗るように促された。
沖矢「近くまでですから。それに暗くなると危ないですよ」
雪「……じゃあ、お願いします」
助手席に座ると車を発進させた昴さん。無言の時間が続き、何か話した方が良いのかと思っているとピッと音がしたと思えば声をかけられた。
沖矢「今はキャメル達には聞こえていないから楽にすると良い」
口調が昴さんから赤井さんに戻る。そして先程までの会話が追いかけていたFBIに聞こえるようにしていたのは、コナン君の知恵を借りるためにしていたのだろう。
沖矢「彼らは今回の事件、どれだけ知っている」
雪「彼ら?……安室さん達の事ですか」
沖矢「ああ、彼らも裏で動いているのだろう?」
雪「そうですね……」
赤井さんに隠す必要はないと思い、安室さんがこれから事件について詳しく調べ始めていると話す。
沖矢「そうか、公安も裏で動くという訳か」
雪「そうみたいです……協力するかは分かりませんが」
沖矢「だろうな、特に安室君は俺やFBI嫌っている」
どうして嫌っているのかは分からないが、余程の事が無い限りは協力は難しいだろう。
雪「安室さん、どうして嫌がるでしょうね」
沖矢「さあな……そろそろ到着するぞ」
家の近くで車を止めた赤井さんにお礼を言って降りる。すると家の方から走ってくる人物が見えた。
諸伏「雪!……お前はっ⁉︎」
沖矢「ああ、雪さんの……」
雪「お、送って貰ったんです!」
コナン君と一緒に車で送って貰ったとヒロさんに話す。怖い顔で昴さんを睨む彼だったが私の話で一応は納得し睨むのを辞めた。
諸伏「……送ってくれて感謝する」
沖矢「いえいえ、それでは僕はこれで」
雪「ありがとうございました」