第35章 緋色の弾丸〜プロローグ〜
ーー貴方side
だが出したばかりなのにというスタッフ。すると安室さんがワゴンに掛かっているクロスを捲りだした。
安室「見て下さい、これなら人が乗れそうです」
松田「まさか台車に乗せて運んだってのか」
雪「だとすればスタッフに変装して運んだ……とか?」
目暮警部は頷き改めて防犯カメラの確認を陣平さん達に頼んだ。そして私達は会場から出て大人しくする様に言われたのだが。
元太「クンクン……こっちだ!」
光彦「こんな才能があったなんて」
歩美「警察犬みたい!」
匂いを辿りワゴンを探す子供達に私は安室さんと共に付き添っていた。それにしても元太君の鼻は本当に凄い。
安室「元太君の鼻は凄いな」
雪「ですね……でも調理場にあるんでしょうか」
そんな会話を子供達の後ろの方でしていると、哀ちゃんが部屋の奥に置かれたワゴンを発見。この近くにいる可能性が高いと言う事で手分けして探す事になった。
雪「どこにいるん……何だろこれ、蒲焼きのタレ?」
ワゴンの横にある冷蔵庫に鰻の蒲焼きのタレが付いている事に気付いた私は、何故かその冷蔵庫を開けないと行けない気がして扉を開けた。
雪「え……きゃあ⁉︎」
コナン・安室「「雪お姉さん/雪さん⁈」」
元太「どうしたんだ?」
小さく悲鳴を上げ一歩後ろへ後ずさる。コナン君や安室さん、子供達が何事かと私の側に来て開いた冷蔵庫を見た。
雪「あ、あれ……」
コナン「……鈴木会長⁉︎」
中にいたのは園子ちゃんの父親、顔は青白くなっており私は身体が少し震えて何も出来ずにいた。
安室「急いで医務室を運ぼう。君達は目暮警部に伝えてくれ」
子供達「「分かった‼︎」」
動けない私とは逆に、安室さんは素早く行動し医務室へと運ぶ。陣平さん達や蘭ちゃん達、全員が医務室に集まり、目が覚めた会長に何があったのかを聞いたが気絶させれてからの記憶は全くないらしい。
萩原「雪ちゃん大丈夫?」
雪「えっ?」
萩原「顔色が悪いから……」
外で休む?、と聞かれ暫く部屋の外で休憩する事にした。研二さんと部屋を出て近くにあったベンチに腰掛ける。
雪「お父さんを……」
萩原「うん」