第34章 魔女の棲むお菓子の家〜消えた凶器と犯人〜
ーー貴方side
園子ちゃんの推理を阻止した私は、コナン君の代わりに犯人と消えた凶器について話しだした。
雪「まず森本さんは犯人ではありません。利用されただけです」
松田「だとしたら、誰が犯人なんだ」
陣平さんに言われ私は小さく深呼吸をし犯人を真っ直ぐ見つめながら名前を言った。
雪「犯人は……お菓子の貴公子、藤野さん貴方です」
全員「「!!?」」
コナン君を除いた全員が驚き、どういう事だという顔をしていた。
雪「貴方はまず前田さんに電話を掛けて事務所に行かせ、森本さんが厨房で集中しているのを確認したし自分の厨房から出た」
このお店の作りはそれぞれ仕切りがあり出て行っても気付かない事を利用したと説明。
藤野「僕がキャンディで殺害したとでも?」
雪「いいえ、凶器はウッドチョコ」
藤野「そんな柔らかい物で出来るとでも?」
あり得ない、と言う藤野さんに私はコナン君と目を合わせ、どうやったのかを話し始めた。
雪「この家はお菓子で出来ていますが実際は木材にお菓子を貼り付けているだけなんです」
藤野さんはこれを利用して、凶器をお菓子でコーティングした木の木片だと話す。
雪「コナン君の所にウッドチョコを持っていく際、隠し持った木片でレジにいた彼女を撲殺した」
そう話すと藤野さんや目暮警部達に証拠があるのかと聞かれた。
雪「証拠ならありますよ、コナン君お願い」
コナン「はーい」
返事をしたコナン君は藤野さんのお店に残っていた3つのウッドチョコが乗ったトレイにを持って来た。
雪「桜井さん、ウッドチョコを切り分けて貰えますか?」
桜井「分かった」
私の隣で聞いていた桜井さんに切り分ける様にお願いし、彼はトントンと切り分けていく。
カツン
桜井「ん?……硬くて切れないのがあるな」
コナン「どれどれ、あれれ〜中に本物の木が入ってる」
わざとらしく言うコナン君に陣平さんと研二さんが近付き確認をする。
萩原「本当だ」
松田「完全に木片だな」
雪「チョコクリームと飾りで凶器を隠してコナン君達の元へ来たんです」
そう言い終えると藤野さんは膝から崩れ落ち自白を始めた。どうやら独立したくてもさせてくれない店長が許せなかったとの事だった。