第4章 護りたい存在
ーーー諸伏side
パンッ!
雪「何やってるんですか!」
諸伏「君こそ! 俺は君を…周りを巻き込みたくない、死ぬしかないんだ!」
俺は死ぬしかない。
今ならまだ彼女も無事でいられるかも知れないから。
雪「死ぬとか言わないで下さい! 松田さん達に私、それから降谷さんが悲しむ事が分からないんですか⁉︎」
怒り顔で怒鳴って来た彼女。そんな事を言う様な子には見えなかった俺は驚いた。
雪「死んだらもう会えないんです。……大切な人をもう失いたくない」
諸伏「……雪ちゃん」
そうだ。彼女は親父さんと隼斗を……なのに俺は……
やっと冷静になった俺は銃を降ろした。
バンッ!
雪・諸・ラ「「!?」」
降谷「スコッチ!」
諸伏「バーボン⁉︎」
勢いよく扉が開き、現れたのは共に組織に潜入していたゼロだった。
雪「えっ……降谷、さん?」
降谷「雪⁉︎……どうしてここに君がいるんだ」
彼女を見て驚くゼロ。確かに此処は一般人が来るようは場所ではない。驚くのも無理は無いだろう。
ライ「……俺の銃は返してもらう」
雪「……」
降ろした銃を拾い上げるライにムッと睨む彼女。
ライ「そう睨まなくても殺すなどない。俺はFBIだからな」
降谷「FBIだと⁉︎」
諸伏「俺達と……潜入調査していたのか?」
まさか、ライがFBIだとは思わなかった。成る程、それで俺が自決する事を止めたのか。
ライ「俺は赤井秀一、スコッチは死亡したと報告しておく」
俺達に背を向けて歩きだしたライはドアの前まで着くと振り返る。
ライ「お嬢さん、君とは改めて会いたいものだ」
雪「……そうですか」
そう言い残しこの場を去ったライの姿を彼女はとても嫌そうな顔で見ていた。そして、降谷が口を開く。
降谷「……自殺、しようとしたのか」
諸伏「すまない、周りを危険に晒したくなくて……でも、雪ちゃんが助けてくれたんだ」
思い違いとは言え、彼女が止めてくれなかったら……
ふと隣にいるはずの彼女を見るとそこにおらず、ドアの方へとコソコソを歩いていた。
降谷「雪……何処へ行く?」
ガシッ
雪「か、帰ろうかなと……」
降谷「この状況で帰れると思っているか、君は」
この場から去ろうとした彼女の腕を掴みを逃さないようにする降谷。
降谷「君は……僕達に聞きたい事はないのか?」